太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

動機

2012-02-22 10:06:36 | 日記
車の路上試験に落ちまくっていた頃。


「ハワイの車の免許がなくたって、日本の免許があるんだからいいじゃん」

凹んでいる私に、夫はそう言った。

「入国してから1年以内は、日本の免許で運転できるけど、それを過ぎたらできないんだよ?」

「1年過ぎたかどうかなんて、誰にもわからないよ」

夫には、そういううユルユルなところがあり、私はそれができない四角四面なところがある。



そもそも、今は私専用の車もないのに、なぜ車の免許が欲しいのかという話になり(もっともな話だが)、私は昔を思い出した。



私が日本で車の免許を取ったのは二十歳の時だった。

まわりの友人達は、高校3年の春休みとか、大学時代にさっさと免許を取っていたが、私はそれほど興味がなかった。

ある時、職場の人達と映画を観に行った。

題名は忘れたけれど、かなり怖いホラー映画だった。

若者のグループが古い館に行ってパーティをしていたら、なぜか一人ずつ殺されて消えてゆくというお決まりのストーリーだ。

一人の女の子が、殺人鬼がいる館から命からがら外へ出ることができ、門の外に停めてある車に辿りついてエンジンをかけるのだが、

キュルキュルと空回りするだけで、なかなかエンジンがかからない。殺人鬼は追ってくる。

焦りと恐怖でパニックになりながらも、何度もセルを回してようやくエンジンがかかって、彼女は逃げることができた。




私が車の教習所の予約をしたのは、その翌日だ。




もし、私が彼女だったら。

もし、あの状況で私が車を運転できなかったら。




この理由を人に言うと、必ずあきれた顔をされる。

そんな理由で免許を取った人、はじめて見た、と言われたこともある。

でも私は真剣に、運転できることで身を助ける日が来るかもしれない、と思ったのだ。


晴れて免許を手にして、車も買って、毎日乗るようになったら、

もうそんなことはすっかり忘れてしまい、車を運転することは特別なことではなく、まるでご飯を食べるように日常のことになっていった。

ハワイに来て、それができなくなるかも、という所に立たされて、

私を教習所に駆り立てた、あの恐怖を懐かしく思い出したのである。








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2 コメント

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Unknown (ひなた)
2012-02-25 21:49:44
それって過去生の記憶がゆさぶられたのでは?
きっとそんな緊迫した場面を経験してるんだよ

よかったね~運転免許とれて♪

入国日がいつか分からないといわれても
私もきっと無理だろうなぁ
私達って可愛い(ここ重要)小心者ね

ダキ♪゜+.(´・ω・人・ω・`)゜+.ギュッ♪
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ひなたちゃん (シロ)
2012-02-26 13:44:46
ひえー、過去生の記憶だとしたら、そのとき私は逃げられたのかなあ?それとも・・・・・・・・・

だから免許を取ることに執着したのかしら。

日本の免許で運転する場合は、必ずパスポートを携帯することになっているから、
もし止められたときは、パスポート見れば入国日がわかるのよね。

やっぱり、私達って可愛くておしとやかでか弱くて優雅な小心者なのよね。うんうん。
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