職場にいるポリネシア人のダイちゃんは、身長が高くてガタイがよくて、いつもにこにこしている。
そして日本語をとても上手に話す。
部署が離れているので、あまり顔を合わせる機会はないけれど
私を見かけると必ず声をかけてくる。
「おはようございまーす。今日は涼しいね」
ダイちゃんの日本語には、まったくアクセントがない。
まるで日本人のようだ。
「日本語がすごく上手だね。どうやって覚えたの」
「ウフフー、自分で勉強したよ」
時々、そういう人がいる。ほぼ独学で言語を習得してしまう人達。
前の職場の同僚だったエリックもそうだ。
エリックの場合は、日本語の本も普通に読んでいたからすごい。
さて、それにひきかえ私達。
私達、というのは私と、メキシコ人の同僚・ミレナである。
英語が第二言語である私達同士の会話。
ミレナ「□X@△?」
私「えー?」
ミレナ「□X@△?」
私「えー?」
ミレナ「□X@△?」
私「(ようやく理解)○△÷□」
ミレナ「えー?」
私「○△÷□」
ミレナ「えー?」
私達のやりとりを聞いていた同僚が言う。
「ちょっとアンタたち、聞いてるこっちがめんどくさいってばッ!!!」
ミレナがアメリカ人の夫と結婚したとき、互いに相手の言葉が話せなかったという。
うちと同じ。
「20年たってもまだスペイン語のほうがずっとラクだよ、どうなってんの」
「あなたが結婚したときは二十代で若かったじゃん。私なんか40過ぎてからだからね」
「ま、わたしたちなりによくやってるよね」
「うん、よくやってる」
よく言われるように、言語というのは努力よりもセンスだと思う。
言語のセンスがある人は、何ヶ国語でも話せるようになる。
センスがない人は、開き直りと図太さでそれを補って世渡りしていくしかない。
そして私はずいぶんと図太くなった。
「ああー、英語のセンスが降ってこないかなァーー」
お茶をすすりながらつぶやいてみるが、そこにはもう以前ほどの深刻さはない。
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そして日本語をとても上手に話す。
部署が離れているので、あまり顔を合わせる機会はないけれど
私を見かけると必ず声をかけてくる。
「おはようございまーす。今日は涼しいね」
ダイちゃんの日本語には、まったくアクセントがない。
まるで日本人のようだ。
「日本語がすごく上手だね。どうやって覚えたの」
「ウフフー、自分で勉強したよ」
時々、そういう人がいる。ほぼ独学で言語を習得してしまう人達。
前の職場の同僚だったエリックもそうだ。
エリックの場合は、日本語の本も普通に読んでいたからすごい。
さて、それにひきかえ私達。
私達、というのは私と、メキシコ人の同僚・ミレナである。
英語が第二言語である私達同士の会話。
ミレナ「□X@△?」
私「えー?」
ミレナ「□X@△?」
私「えー?」
ミレナ「□X@△?」
私「(ようやく理解)○△÷□」
ミレナ「えー?」
私「○△÷□」
ミレナ「えー?」
私達のやりとりを聞いていた同僚が言う。
「ちょっとアンタたち、聞いてるこっちがめんどくさいってばッ!!!」
ミレナがアメリカ人の夫と結婚したとき、互いに相手の言葉が話せなかったという。
うちと同じ。
「20年たってもまだスペイン語のほうがずっとラクだよ、どうなってんの」
「あなたが結婚したときは二十代で若かったじゃん。私なんか40過ぎてからだからね」
「ま、わたしたちなりによくやってるよね」
「うん、よくやってる」
よく言われるように、言語というのは努力よりもセンスだと思う。
言語のセンスがある人は、何ヶ国語でも話せるようになる。
センスがない人は、開き直りと図太さでそれを補って世渡りしていくしかない。
そして私はずいぶんと図太くなった。
「ああー、英語のセンスが降ってこないかなァーー」
お茶をすすりながらつぶやいてみるが、そこにはもう以前ほどの深刻さはない。
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