太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ぺらぺら

2017-10-22 14:58:22 | 英語とか日本語の話
職場にいるポリネシア人のダイちゃんは、身長が高くてガタイがよくて、いつもにこにこしている。

そして日本語をとても上手に話す。

部署が離れているので、あまり顔を合わせる機会はないけれど

私を見かけると必ず声をかけてくる。

「おはようございまーす。今日は涼しいね」

ダイちゃんの日本語には、まったくアクセントがない。

まるで日本人のようだ。



「日本語がすごく上手だね。どうやって覚えたの」

「ウフフー、自分で勉強したよ」



時々、そういう人がいる。ほぼ独学で言語を習得してしまう人達。

前の職場の同僚だったエリックもそうだ。

エリックの場合は、日本語の本も普通に読んでいたからすごい。



さて、それにひきかえ私達。


私達、というのは私と、メキシコ人の同僚・ミレナである。

英語が第二言語である私達同士の会話。


ミレナ「□X@△?」

私「えー?」

ミレナ「□X@△?」

私「えー?」

ミレナ「□X@△?」

私「(ようやく理解)○△÷□」

ミレナ「えー?」

私「○△÷□」

ミレナ「えー?」


私達のやりとりを聞いていた同僚が言う。


「ちょっとアンタたち、聞いてるこっちがめんどくさいってばッ!!!」


ミレナがアメリカ人の夫と結婚したとき、互いに相手の言葉が話せなかったという。

うちと同じ。

「20年たってもまだスペイン語のほうがずっとラクだよ、どうなってんの」

「あなたが結婚したときは二十代で若かったじゃん。私なんか40過ぎてからだからね」

「ま、わたしたちなりによくやってるよね」

「うん、よくやってる」



よく言われるように、言語というのは努力よりもセンスだと思う。

言語のセンスがある人は、何ヶ国語でも話せるようになる。

センスがない人は、開き直りと図太さでそれを補って世渡りしていくしかない。

そして私はずいぶんと図太くなった。


「ああー、英語のセンスが降ってこないかなァーー」


お茶をすすりながらつぶやいてみるが、そこにはもう以前ほどの深刻さはない。







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