年をとるにつれて、嫌いだった食べ物が好きになる。
子供のころ、嫌いだった牡蠣やウニ。
味というより、見た目でダメだったのが、今は好物の上のほうに位置している。
若いころ、口に入れると「げー」となったオリーブの実のピクルス。
今は料理の中のオリーブを拾って食べるほど好き。
そして最近、とくに好きになったのが、コリアンダーだ。
コリアンダーは、タイ料理などによく使われる香菜で、
アメリカではシアントロという。(発音はサランチョロと聞こえる)
春菊なんかメじゃないぐらい強い独特な香りで、
若いころには、その香りが料理を台無しにするので、真っ先によけていた。
数年前まで、食べることは食べるが、自ら進んでは食べなかった。
それが、気が付けばシアントロが好物。
シアントロを刻んで、卵2個に混ぜてオムレツにして、毎朝食べている。
サラダにも入れる。
そんな話を友人にしたら、
「私もそうなんよ!!」
と言うではないか。
美味しいシアントロを探して歩きまわり、ようやくホールフーズで見つけたという。
シアントロを切らずにそのままかぶりつくほど好きらしい。
そういう彼女も、昔は大っ嫌いだったというのだ。
「若い時には嗅覚が敏感で、香りの強いものは避けるらしいねん」
ということは、年を取ると嗅覚が鈍くなるということか?
そういわれてみれば、ニンジンくささが際立つ、ニンジンのグラッセは
昔は嫌いだったけど、今は平気だ。
しいたけも、子供の頃は臭くて好きじゃなかった。
すき焼きに入れる春菊も、今は案外好きかもしれない。
ハワイで春菊が手に入ったら試してみよう。
子供がニンジンやピーマンを食べなくても、
放っておけばそのうち食べるようになるのだろう。
嫌いな食べ物が好きになるのは、老化が原因とはおもしろくないが
好きなものが増えるのは人生が楽しくなるので良しとする。