句集『けものの苗』(ふらんす堂、2018年10月刊)
竹岡一郎氏から御句集『けものの苗』が送られてきた。
深い見識に支えられた句群は、面白いし、読み応えあり。
まだ全部は読み終えていないが、ゆっくり味わっている。
僕なる黝(くろ)い穴へ白鳥矢次継ぎ早
この句はいつか『連衆』誌招待作家欄に掲載された句で、
その時5句選で採らせて頂いた句。
天井に包丁吊って冴えて安心
我が息子(3人のうちのひとり)も
よく刃物を研いでいたなあ~と。
あれはなにか「安心」感を引き寄せるための行為
だったんだなと納得。
15タイトルで全350句。
タイトルも思わせぶり?で楽しいし、
他の句たちも、多彩多色で面白い。
「あとがきに代えて~咒(じゅ)とは何か」の文章は、
一回読んだくらいでは私の頭では理解できないが、
「なつかしいものは、いつだって惨たらしい。産土も人間も積み上がった惨たらしさを抱えて、だからこそ、その惨たらしさを焼き尽くし、なつかしさを遠く離れ、生き変わり死に変わりを超えて、立ちたい。」
には、なんとなく共感できる。
今後の人生の文学の方向性が
ひとつ示されたような気がして深く考えてみたい。
こちらも十分に触発される。
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