大道寺將司死刑囚が5月24日に逝ったらしい。
多発性骨肉腫のため。68歳。
私には、なんの感慨もないのだけれど、
俳人大道寺將司の句集『棺一基 大道寺將司全句集』(2012年4月発行)を
2012?年にアマゾン古書で購入していたから。
私は辺見庸が好きだったので、
その延長で、
「連続企業爆破事件」の犯人の一人である
大道寺の句集を知り、
読んでみたいと思ったのである。
その後、2015年11月、
大道寺は『残(のこん)の月 大道寺將司句集』を出している。
「出している」と書いたが、かれの意思がどの程度働いたかは分からない。
『棺一基』のほうについては、辺見庸が強く勧めたようだ。
手元にある『棺一基』を開いてみたら
俳人宇多喜代子氏の『残の月』のほうの
書評の切り抜きー
2016年1月17日(日曜日)付け熊日新聞
が挟んであった。
宇多氏が挙げている句からいくつかを。
被曝せる獣らの眼に寒昴
セシウムの記憶薄れし神無月
薄氷の割れて開戦前夜かな
集中の佳句として
鬼門越す骸を花の見送れり
ひそやかに骨の泣く音や春の霜
<しおりを執筆した福島泰樹は
「峻厳な『生き様』の詩型として俳句を選んだのである」
と記している。>
とも書評にあり。