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群馬の田舎から情報発信!

『パパとムスメの7日間』(五十嵐貴久)

2009-12-13 18:54:47 | 読書日記
 16歳の娘と、47歳の父親の人格が、ある日の事件で入れ替わってしまう。その人格がもとに戻るまでの7日間の物語です。

 それまで、口もほとんどきかなくなるくらい冷え切っていた二人。お互いがお互いの生活を目にすることで、少しだけ理解し合う。

 「それにしても、今時の女子高校生の生態はこんなの?」なあ~んて思っているうちは、ティーンエイジャー向けの商品なんて企画できないのでしょうねえ。中年のオジサンが考えている以上に、今時の高校生はある意味大人だし、だからといって、大人になりきれていない部分も多いし、不安定な世代なんだと思います。分かり切るなんてできないかもしれないけれど、理解しようとしなければ、ずっとそのままで終わってしまうかも。

 お互いのことをもっと知り、お互いを思いやることができれば、人間は繋がりあることができるのでしょう。

 なんともほのかに心温まるファンタジーです。



『夢見る黄金地球儀』(海堂 尊)

2009-12-13 18:47:11 | 読書日記
 「ふるさと創生一億円」で作られた黄金の地球儀。これを盗もうとする物理学者になることを諦めた主人公。最後のどんでん返し。

 これまでの海堂氏の医療ミステリーとは違い、純粋にコンゲームばエンターテイメント小説です。
 
 とは言え、物理学の部分は随分詳しく、いかにも理系らしい作品です。

 最後に次から次へと明らかにされる真実。それまでバラバラに描かれていた事象が、スッキリと一つに繋がりました。
 痛快極まりに作品です。

 著者が、また、違った分野の作品を作り上げてくれるのを心待ちにしています。

『どちらかが彼女を殺した』(東野圭吾)

2009-12-13 18:38:27 | 読書日記
 最愛の妹が殺された。警察官の兄が容疑者を二人に絞り込むのだが。殺したのはどりらか?

 加賀恭一郎シリーズです。

 この作品の特徴は、最後まで犯人を明らかにしないことです。小説終了後に、「推理の手引き」なるものが付いていて、「なーんだ。これを読めばいいのか」と思ったのも束の間。本編の各所に仕掛けられている謎解きのカギを教えてくれるだけで、「後は、自分え考えればいいでしょ」てな具合に突き放されました。

 思わず、最後の手引きを読み返して、「犯人はこの人に違いない」と思い至ったところです。

 東野氏の遊び心は素晴らしのですが、犯人を明らかにしにとは・・・。一本取られました。
 「推理小説は、さまざまなヒントが各所に隠されているから、注意して読めよ」と言われてるようで。。。

 加賀恭一郎が、渋い刑事役が板についてきた作品だと思います。