G's HOME日記

群馬の田舎から情報発信!

『巨大投資銀行』(黒木亮)

2009-10-06 22:12:30 | 読書日記
 金融工学を駆使した専門的な取引・ビジネスが展開される作品です。

 とにかく読み終えるのに時間がかかった。内容的には面白く、ぐいぐい世界に入り込んでしまうのですが、いかんせん金融ビジネスの仕組みを理解するのは難しい。
 金利のヘッジやスワップ、スプレッド交渉ぐらいまでは分かりますが、「裁定取引とは何?」「イールドカーブの歪みを見つけて儲けるとはどんな仕組み?」などなど、なかなか理解が難しい。

 しかし、実際にビジネスとして行われているわけである。
 「たかがマネーゲーム」と侮れない。裁定取引やスワップで儲けるビジネスモデルを作り上げる能力が凄いのである。

 とは言え、本書の主人公は、日本の銀行を飛び出し、外資系投資銀行で成長していくが、ビジネスマンとしての最後を、それまでの知識・経験を生かし、日本に新たな金融秩序を打ち立てようとする。壮大な叙事詩である。