絲山さんの作品を初めて読んでみました。
文庫本は表題の「イッツ・オンリー・トーク」と「第7障害」の2作品が含まれています。
「第7障害では、群馬が舞台として描かれています。
「順子さんって出身こっちじゃなかった?」
「横浜だよ。でも、群馬に戻りたいの。妙義、浅間、榛名、谷川、武尊・・・」
「赤城が抜けているよ。」
「そうだった。山って全部名前があるじゃん。景気に向かって話しかけることができる。『榛名、帰ってきたよ』とか。高層ビルに向かって話しかける人なんていないでしょ。」
「上越国境にしてもさ、長野県境にしてもさ、全部、ここまで群馬ってわかって安心するじゃん、そんなのない?」
確かに、群馬に長く住んでいると普通に感じているけれど、周りを見渡すとよく知った名前の山に囲まれたところなんて珍しいのでしょうねえ。
でも、土地勘のある群馬県人が読むのと、全く群馬を知らない人がこの作品を読むのではちょっと感じ方が違うでしょうねえ。例えば、クライマックスで野反湖の場面がでてきますが、野反湖のあの独特の景色・雰囲気を知っているのと知らないとでは、この作品の味わいが違ってしまうのではないでしょうか。この作品では、あまり情景の説明がありませんから。
ということは、群馬県人はよりこの作品を楽しめるということでは!!!
「イッツ~」と「第7障害」とはかなり違った作風の作品です。しかし、どちらも深刻な内容であってもその独特のあっさりとした文体で、さらりと読ませてくれます。
絲山さんが、これからの作品で、どのような世界を描いてくれるのか楽しみです。
文庫本は表題の「イッツ・オンリー・トーク」と「第7障害」の2作品が含まれています。
「第7障害では、群馬が舞台として描かれています。
「順子さんって出身こっちじゃなかった?」
「横浜だよ。でも、群馬に戻りたいの。妙義、浅間、榛名、谷川、武尊・・・」
「赤城が抜けているよ。」
「そうだった。山って全部名前があるじゃん。景気に向かって話しかけることができる。『榛名、帰ってきたよ』とか。高層ビルに向かって話しかける人なんていないでしょ。」
「上越国境にしてもさ、長野県境にしてもさ、全部、ここまで群馬ってわかって安心するじゃん、そんなのない?」
確かに、群馬に長く住んでいると普通に感じているけれど、周りを見渡すとよく知った名前の山に囲まれたところなんて珍しいのでしょうねえ。
でも、土地勘のある群馬県人が読むのと、全く群馬を知らない人がこの作品を読むのではちょっと感じ方が違うでしょうねえ。例えば、クライマックスで野反湖の場面がでてきますが、野反湖のあの独特の景色・雰囲気を知っているのと知らないとでは、この作品の味わいが違ってしまうのではないでしょうか。この作品では、あまり情景の説明がありませんから。
ということは、群馬県人はよりこの作品を楽しめるということでは!!!
「イッツ~」と「第7障害」とはかなり違った作風の作品です。しかし、どちらも深刻な内容であってもその独特のあっさりとした文体で、さらりと読ませてくれます。
絲山さんが、これからの作品で、どのような世界を描いてくれるのか楽しみです。