ポンコツPAK-ブログサイド-

ミリオタ、エルンストによるブログです。
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歩兵組のランドセルの傾向とかその他色々

2011-07-28 18:16:25 | 幕末
 以前やった幕軍装備紹介の続きっぽいものです。ちょっと考察みたいな、そうでないような事をやってみました。

 元治元年(推定) 慶応二年(ILN1866)
慶応三年
 ランドセルの語源はオランダ語の"Ransel"。幕府陸軍で採用された背嚢のことです。
この時代の背嚢は大きく分けて、革を張ったものとタールなどの防水油布で作られたものとに分けられます。
前者はプロイセンやフランス軍、後者はイギリス軍やアメリカ軍などが使ってました。
蘭式陸軍で使われていたものは現存品がないので不明ですが、ILNのスケッチや、慶応期の錦絵や明治期に描かれた幕軍調練図など複数の資料を合わせて見ますと、
蓋を二本のバンドで留め、上部に一文字にブランケットロールを取り付けるタイプのようです。
伝習隊は前者のフランス軍のもの(M1854)をそのまんま使っております。


南北戦争初期まで使われていた「ハードパック・ナップザック」です。タールを塗ったキャンバスを木枠に張って作られてます。イメージとしては近い感じがします。
赤毛布は近場で買ったフリース。その上に防水具のガム・ブランケットを巻きつけて錦絵などのカラーイメージに近付けてみました。


ひっくり返してみます。バリエーションによっては追い紐の正面を固定するストラップが付いたものもあります。追い紐の右脇はフックになっており、戦闘時などにすぐ脱ぎ棄てられる設計になっております。

慶応三年(ILN)
ILNの装備方法をマネしてみました。北軍の水筒を用いてます(←水筒は少なくとも戊辰戦争時には輸入されてました)。

<ここから番外・輸入した個人装備編>


銅製のキャンティーン。これによく似たものが国内でコピー生産されていたようです。ILNの絵にも歩兵の腰に円形の水筒らしきものが描かれています。
慶応二年(1866ILN)


当時の写真によくみられるスプーン式ベルトバックルが手に入りました。幕府軍八王子千人隊の組頭や土佐藩兵など、多くの写真などで装備例が伺えます。


アメリカ式胴乱の中身をお見せしませう。蓋は二重になっております。

胴乱にはブリキのケースが二つ入っており、上段にパトローネ(紙早合)10発・下段に10発入りの包みを収納。計40発の弾薬を携行します。外側のポケットには工具を入れるようです。

これはエンフィールド銃用コンビネーションツールで、私が所持する唯一の実物南北戦争グッズです。



雷管盒も二重蓋になっており、中は羊毛が貼られていてパーカッションキャップを保護します。

ああ、肝心の衣装を紹介してませんが、筒袖ダンブクロの解説は、また今度にしよう…。