鹿島春平太チャーチ

「唯一の真の神である創造主と御子イエスキリスト」この言葉を“知っていれば”「天国での永生」は保証です。

Vol.19 社員の精神レベルは経営の要諦

2007年09月25日 | 稲盛「哲学」と聖書の思想

                    


「稲盛『哲学』と聖書の思想」第19回です。

六代煩悩を思い出しましょう。
仏教の深い人間洞察の成果です。

「トン・ジン・チ・マン・ギ・ケン」でしたね。
その意味は前述しましたが、リズムを付けて、音で暗記しておきましょう。

稲盛「哲学」はそのうちで、
「自然なままに放置すれば貧(トン)にまでいく」食欲を中心とする欲望を治めることを重視しています。
氏が「精神ベルを高める」といわれる際、重心はここに置かれています。

 これに関連して稲盛さんは次のようなことも言っておられます。

 
                   


<精神レベルが上がらねば会社も衰退>


~~個人も会社も、精神のレベルが上がっていかなかったら、いずれ衰退します。
精神レベルが低いがゆえに、成功しても衰退するケースは多いのです。

これは一つには次のように理解できます。

会社が成功して社員の給料が上げられても、社員の欲望はそれ以上に肥大しやすいものです
(貧に向かって膨張していく)。
すると、もっと収入が欲しいという欲望が以前に増して強くなってしまいます。

 けれども、会社はいつも高度成長していることは出来ません。
では成長が鈍るとどうなりやすいでしょうか。

社員は「自分だけでも」もっと収入が得られる方法を探す傾向をもつでしょう。


                    


<派閥も精神レベルの低さから>

そのよくあるひとつが、誰か有力者に特別扱いしてもらおうという思いです。
社員の多くがそういうことを志向すると、社内には自然に派閥ができていきます。

あるグループに入らないと、超過収入などおいしい目を見られないようになる。
入るのに遅れた人は、また別の有力者に特別扱いしてもらおうと、甘えるでしょう。

すると、もうひとつ、派閥ができます。
これが進むと、もう、何処かの派閥に入らないと、仕事もできなくなってしまいます。
鹿嶋はかつてその例を、勤務地の近くにある研究所で生々しく観察しました。


                    


さてこうなると各々の視野が派閥の中に閉じこもって狭くなってしまいます。
もう、全社的な視野や情熱を持つ人の動きや意見が会社経営に反映されなくなってしまいます。
すると、その会社は衰退に向かう要素をどんどん蓄積していくことになります。
派閥心というのは、人間組織のガンなのです。

 ところが程度の差こそあれこれは、日本の大半の会社に起きてきた状況です。
会社だけでなく、学校も、政府機関でもそうでした。


                    


<稲盛企業と佐吉企業>

だが稲盛さん創業の京セラや第二電電(今のAU)には、派閥的な動きはまったくないようです。
それが社員の闊達とした精神や行動を産み、
両企業から革新的なアイデアが次々に出ていることの背景になっています。

トヨタも派閥はまったくない会社です。
トヨタ生産方式を作り上げてきた様々な試行錯誤も、こうした土壌があってのことでしょう。
派閥があると、試行錯誤の錯誤をした時点で、他の派閥がそれを責め上げて、
継続不能にしてしまいます。

 だが、これらの企業は、本当に例外的存在です。
特に日本人には民族気質と思いたくなるほどに、党派心をもった人間が多いです。
そういうのは、隙さえあれば派閥をつくろうとする。
で、四六時中そんなことばかりねらっていますから、大体成功します。
 ゴーンさんがくる以前の日産など、派閥だらけでした。


                    


こういう差が生じるコンポン原因を、稲盛哲学は開示しているのです。

放置しておけば貪欲にまで至る欲望を治めることができるように、
社員がなるかならないかがその分かれ道だとして。
京セラではそれを治められるように、社員個々人の精神レベルが高められている。
それが答えだったのですね。

 トヨタでも同じです。
創業者豊田佐吉の驚嘆するような高い志をもった生き様が、
それを知った社員の精神レベルを高めています。
だから、全員学びます。
入社すると例外なく、静岡県湖西市にある「豊田佐吉記念館」を訪問し、佐吉を深く知ります。
以後も折ある毎に、佐吉思想は伝道され、社員は学び続けます。


                    




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