「トムラウシ遭難事故を考える」シンポジウム。
2010年2月27日開催
2009年7月 トムラウシ山の遭難事故
ツアー登山による 大きな山岳遭難事故(ツアー登山2009)
日本山岳ガイド協会の報告書[トムラウシ山遭難事故調査報告書(最終報告書)]なども 今般 だされたが 事故の再発防止の観点から 早急にしなければならないことなど 一杯ある。
シンポジウム会場では色々な観点から 活発な討議がなされた。
遭難事故の責任追及でなく 事故の再発防止を第一に考えて討議するという とても参考になった いいシンポジウムであった。
日本山岳サーチアンドレスキュー研究機構
「トムラウシ遭難事故を考える」シンポジウムの当日の資料集(上の写真)が下記URLにて配布されています。(PDFファイルにてダウンロードできます。)
http://www.imsar-j.org/2009-04-23-09-38-06/2009-04-23-10-26-43/97-2010-03-04-08-13-46.html
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トムラウシ シンポジウムで 感じたこと
昨今の登山の風潮として
■なぜ トムラウシなのか いわゆる「著名山ブーム」
遠路 わざわざ 限定された 時間で 悪天候の中でも 無理して ピークハント の縦走を ツアー登山するというのも 著名山ブームに踊らされているのでは?
もっと 他に違う登りかたで登ったり 他にいい 登るべき山は たくさん あるのでは?
■旅程保証義務 と 安全配慮義務
表向きの 建前としては 安全が優先するのだが、本音 としては 著名山 ピークハント のツアー参加者からの強い要望などあって ガイドも エスケープ後の旅程日程の調整などなど 面倒な手続き 更には 会社からの評価など 考慮すると 少々の悪天候でも強行しやすいのが現状なのだろう。
■みんなでいけば 大丈夫?
雪崩危険地帯でもそうだが 悪天が予想されても 皆が行っているから 大丈夫だろうと つい つられてしまう 危険が潜んでいる。
報告書の中にもでているが、2009年7月16日 ヒサゴ沼避難小屋で 出発を躊躇っていた 組織登山者の一行もツアー登山の遭難パーティーにつられて 30分後に小屋を出発した。
一行は 途中で遭難パーティーを追い抜き 何とか無事だった。
■「引率型登山」が増えてきているとか
学校集団登山 ツアー登山 ガイド登山などが 典型的な「引率型登山」だったのだが 今日 その引率型が 流行のように どんどん広まってきているという。
■組織登山も 高齢化
かつては 山岳会、山岳部など一定の組織の傘下にある組織登山者にたいし、未組織の いわゆる未組織登山者の問題がおおきな課題であったが 組織登山団体も 今日 高齢化してきた。
本来 自己責任の原則で 活発な登山活動を行っていた 組織登山者も 高齢化してして、会には 後継の若年者がいない のが現状だ。
■組織登山者も 教育機能が低下
未組織登山者にたいし 組織化されて 一定の教育機能を持っていた組織登山者の所属する 一般山岳会も いまでは 若年層が減少し 全体的に 高齢化し 老から若への教育機能が低下している。
その結果 老から老 さらには 結局は 引率型登山の組織へとなりつつある。
■組織登山団体も引率型へ?
端的に言えば「連れていって」
自分で登る山を探し 計画し 山を登ることしかなかった時代から 山といえば ツアー登山か 引率型一般山岳会・同好組織・NPO組織などなんでもいいのだが 誰かに連れていってもらう という形へと 変化しているという。
■安全配慮義務
「引率型登山」となれば リーダーに安全配慮義務がでてくる。
■トムラウシでは 「ツアー登山」の問題だったが
引率型登山では 事故でもあれば 山岳会・同好組織・NPO組織でも 安全配慮義務が問われる。
安全配慮義務の 商業ツアー登山だけでなく NPO組織 山岳団体でも 民事責任が問われる。
引率型登山から
登山者のレベルアップをいかにするか?
リーダーも責任が重い。
■主体性をとりもどすこと
他人任せの「連れっていって」の引率期待型の登山者を いかに 登山者本来の 主体性をどう確立して 自立できる 登山者にレベルアップするべきか?
難しい課題だが これから 考えていかなくては いけないと思う。
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「トムラウシ遭難事故を考える」シンポジウム
共催
社団法人日本山岳協会、
日本勤労者山岳連盟、
日本山岳サーチアンドレスキュー研究機構
13:00 開会 総合司会 古賀英年
黙祷
挨拶 内藤順造(社団法人日本山岳協会副会長・専務理事)
13:10---13:25 Ⅰ.戸田氏による「トムラウシからの生還」 (15分)
13:25---15:30 Ⅱ.トムラウシ遭難事故の原因と背景について
座長 村越真 {8人×15分(発表12分、質疑3分)=2時間}
①(報道側から見た)トムラウシ山岳遭難事故の外観と推移
岩城史枝(岳人編集部)
②山岳遭難事故におけるトムラウシ問題の位置づけ
青山千彰(IMSARJ)
③トムラウシ遭難時の山岳気象について
城所邦夫(元気象庁山岳部)
④トムラウシにおける低体温症について
船木上総(苫小牧東病院副院長)
⑤マスコミの問いに対する、登山専門旅行会社の見解
黒川 惠(アルパインツアーサービス株式会社代表取締役)
⑥ガイドの意思決定のあり方について
磯野剛太(社団法人日本山岳ガイド協会理事長)
⑦トムラウシ遭難事故の法的問題
溝手康史(弁護士)
⑧山岳団体から見たトムラウシ問題
西内博(社団法人日本山岳協会遭難対策委員長)
15:30---15:40 休憩
後半の部; 8人のパネリストと、会場の参加者との共同討議
座長 青山千彰
15:40---16:40 事故の原因と問題点に関する総合討議
16:40---17:30 ツアー登山における遭難事故防止のあり方について
17:30 閉会挨拶 井芹昌二(日本勤労者山岳連盟副理事長・遭対委員長)
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ところで
社団法人 日本山岳ガイド協会
トムラウシ山遭難事故調査特別委員会による
トムラウシ山遭難事故調査報告書(最終報告書)がでた。
社団法人 日本山岳ガイド協会ホームページでは3月1日に公開予定だ
http://www.jfmga.com/
が
もう 既に下記のURLのウェブサイトにて公開されている。
http://subeight.wordpress.com/
最終報告書 中間報告書
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「トムラウシ遭難事故を考える」シンポジウム その2
トムラウシ山遭難事故に関して 今後の教訓として 思いついたこと
トピック的に その2
「トムラウシ遭難事故を考える」シンポジウム