ギリシャの哲学者セネカの著書『人さまざま』の通り、紀元前から、人間はその本質は変わってないのだ、と、つくづく、思い、確認し、確信します。
(今さらですが、…本当に、改めて、人それぞれ、さまざま、
【患者さんもさまざま】です。
通院しない(かよわない)というのと、通院できない (かよえない)とでは、 全く違います!… … …。
口中、虫歯で穴だらけ、まだ二十代の会社員の男性。
《忙しくて通えなかった。》
ウソですね。
こういう人は、おそらく仕事もできないのでしよう。
案の定、(私はレントゲンを見せながら1時間治療し、説明したのに。)
二度来て、あとは無断キャンセル。
駄目ですね。
私は、親友に、某一流保険会社の社長が居ます。
名前を言えば、其なりの知られた人です。
この友人は、30年以上、歯医者に行ってません。
「自分は唇が長く、話してても、歯が見えないんだ。」と、ウソぶいています。
怖がりのせいもありますが、
「歯なんか無くても食える。」と言って、私とよく酒を飲み、
確かに、おつまみもうまそうに食べてます。
ただ、「近頃、耳が時々、飛行機などに乗ると、難聴になり、回復が遅い。 それで、整体に行くと、具合がいいんだよ。」
とは私に訴えます。
自分が、歯が、ガチャガチャで、虫歯だらけ、抜けたままのは、それっきり… …というのがいいわけがないのは承知しているし、
歯と耳(眼も)はダイレクトにつながっているのも、わかっているし、
顎が背骨につながっているのも。
また、私から、いい加減、歯医者に行けと、言われ、奥さんにも叱られている。
しかし、社長で、(土)(日)以外、夕食は、仕事がらみもあり、 毎日、外食、 正直、社長は孤独で、誰よりも働いている。
しかし、彼は、 《忙しくて、歯医者に行く暇はない。》 とは決して言わない。
それどころか、 「私が無断キャンセルの患者さんは困る。」 と、言うと、
「それはそうだ!約束を守れない奴は最低だ。
きちんと仕事してれば、そんなこと、自ずとわかる。
論外だ。」
と、断言します。
むしろ、私の方が、やさしく、
「いや、やむを得ない時もあるから、当日でなくても、予約を取り直しくれるとか…
事情を言ってくれればね。…無断は、とにかく困る。」
と言って、なだめるくらいです。
大企業の社長になった男だ。
運もあるかもしれないが、
馬鹿や無能ではなれない。
言うところの世襲とは無縁の一流の保険会社である。
仕事はできます。
さてさて、こんな患者さんもいます。
「何軒かの歯医者から、この2本はとくにもう抜かないと…。」
と言われた、やはり若い男の患者さん。
で、私が 診ると、左上の小臼歯と、隣の奥歯が大きく溶けて穴が開いている。……
…ただ、話になりません。
やはり、口中、他も穴だらけ、治療途中で、全ての歯が、放置されている。
私は、1時間以上かけて2本の歯を3回治療し、
さて、次から、歯を作ります。
「金属でいいですね、きちんとやりましょう。」
と言うと、
「私の体の為に金属も含めて何がいいでしょうか? 先生の言った材料をネットで調べます。」
と、その患者さんは応えます。
私は呆れました。
全ての歯が、穴だらけ、口も臭い、治療途中のまま…。
私は、想像はついてましたが、
「あなたね、材料云々より、全ての歯が治療途中、穴だらけ、1つとしてまともに終えていない。
バイ菌だらけだ。
治療途中でやめるくらいなら、何もしないで、歯医者になんか来なくていい。
今のままの方がよっぽど体に悪い。
ただ、まあ、歯で 死にやしないよ。」
私は、突き放しました。
「医者に行って健康診断しなさい。」
治療費は請求せず、引き取ってもらいました。
あえて言います。一種のクレーマ―で、精神が病んでると思います。
人さまざま、… 患者さんさまざま、……
また、埼玉、静岡から来て、やはり何軒かの歯医者から抜くと言われ、
抜かず、さあ型どり、歯を作ろうというところで、無断キャンセルして来なくなる人もいます。
おそらく、抜かないところまでは、
私が治療したので、
続きは近くの歯医者で、と、いうことでしょう。
それはかまいません。 実際、私には歯医者自身からの依頼もあるので。
『何とか、抜かないメドまでつけてくれ。』と……。
私は大学病院からもよく頼まれます。
ただ、無断キャンセルは困ります。
「続きは近くの歯医者でやります。」 と、言ってほしいです。
礼儀、常識だと思います。
最も難しい歯を抜かない、残す治療をして、1回に1時間以上かけて、(手術なら、時に2時間。)
で、遠くから来てくれるので、(私は誰にでもそうですが、)尚更、通う回数を減らそうと、
1時間の予約を確保したのに、無断キャンセルです。
難しい治療は、完全予約制なので、
本当に、時間も(卑しいかもしれませんが) 金も無駄です。
私は家族も含め、この治療技術=スキルで、プロとして原則生活しているのですから。
正直、ガッカリです。
(ここまでやってあげたのになあ…)エラソウでしょうか?
とにかく、歯を抜かない、残す治療は、繊細な治療です。
私は手袋は使いません。
本当に、手先、指先のダイレクトの感覚で、
素の直接の感覚を駆使するのです。
ただ、大方の患者さんは、皆、いい人です。
名古屋、三重、茨城、福島から、通ってくれてる人。
関東圏からは、其なりにたくさんいるし、
セカンドオピニオンなら、
北海道、九州、岩手等々…からも。
ありがたいです。
恐縮します。
まだまだ、若輩者ですが、
日々、
初心を忘れず、
勉強し、治療技術=スキルを磨きます。
私はこうした【つむじ曲がり】です。
相性もあるでしょう。
私はしかし、絶対、第一印象だけで判断はしません。
普通は、歯医者に行くのが楽しみだなんて人はまずいません。 (歯のクリーニングして、きれいサッパリするのは気持ちよく、快いですが。)
ましてや、何軒かの歯医者から(紹介も含め)、 来る患者さんは、 不安と、不信感を大概、抱いてます。
(正直、私もかなりのプレッシャーです。)
ただ、歯では急死はしません。
焦って、抜く(抜かれる)ことはしないでください。
歯なんてなくても、食えます。
生きていけます。
【歯はある意味、無駄な臓器です。】
だからこそ、 つむじ曲がりの私は言います。
【歯に命を懸けることはありません。】
しかしまた、【無駄のない人生なんてつまらないです。】
【無駄=歯 のない人生なんてツマラナイですよ。】
歯は顔でもあります。
【明眸晧歯】 と、言います。
気持ちよく食べ、噛んで、(快食・快便)
大口開けて笑えて、臭くなく、快感です。
何事も、無駄(遊び)のない人生なんてツマラナイないですよ。
無駄もまた余裕(ゆとり)です、快楽です。
【歯はある意味無駄な臓器です。】通常、歯の病気ではダイレクトには死にません
だからこそ、だからこそ、(私は思い、断言します。したいのです。)
【歯を大切にしてほしい。】と。
焦って、抜く(抜かれる)ことはしないでください。
繰り返します。【歯科の初心は、まず、その歯が残るか残せるかです。】
毎度です。
人生、何事も、
初心不可忘です。
【無駄=歯】を大切にしてください。、
【無駄=歯】をいとおしいと、大切にしてください。
【無駄=歯】を大切にして、少しでも、楽しく過ごす、生きる、人生のたしにしてください。
… … …無駄のない人生なんて…… …ツマラナイですよ。…
ひたすらツマラナイですよ。【無駄=歯】のない人生なんて……
ただただ、つまらないと思いますよ。
ところで、また、少し…。
因みに、歯を抜かない方法を教えてください、と電話で聞く患者さんが、時々います。
原則、個々、症例が異なるので、電話では応えられません。
なかには、「聞くだけですよ!」という人も居ますが、正直、無礼です。
私の治療は、その実績も技術(スキル)も充分医学的評価を得てますが、
私は医者であり、臨床家です。
学者でも教育者でもありません。
ただの{つむじ曲がり}です。
それに、日々の勉強と、10年以上のその修練の結実であり、貴重な結晶です。
誠意をもって応えますが、といって、
むやみには、教えたくも話したくもありません。………。