形之医学・しんそう療方 小石川院長 エッセー

昭和の頃、自然と野遊び、健康と医療のことなど。

オニタビラコ(鬼田平子)

2012-05-14 12:54:30 | Weblog

この野草は野原や路傍などでもよく見かける。 家の近くでも、
少し高台になった日当たりのいい斜面に群生し、季節になると
黄色い花を咲かせている。 地面に近いところに葉叢をつくり、
細長い茎を伸ばして花をつける。 最近、治療所のある小石川でも、
アスファルトの小さな割れ目からひとつ出ているのを見つけた。
雑草の持つたくましさには驚かされることがある。

名前の由来を調べてみると、「田」んぼの「平」たい「子」という、場所と
形からきているようだ。 「鬼」というのは、鬼ワラビのように大きなもの
につけられることが多い。





     * 写真は鬼タビラコのロゼット
  
「平」は、ロゼット葉を作る姿からきている。 ロゼットというのは、
タンポポの葉のように、地面に平たく展開する葉のことで、
その名前の由来は、「バラの花のかたち」だという。 
鬼タビラコもタンポポと同じキク科の仲間。 

春の野草、ナズナは別種のアブラナ科の植物だが、同様に冬は
ロゼットを形成して越冬し、春になると茎葉が上に伸びてくる。 
正月の七草のひとつ、ホトケノザは鬼タビラコの小型種、
小鬼タビラコでロゼットの形から仏の座とされたそうだ。
今はホトケノザはまったく別種の植物の名前になっている。


地面に平たいロゼット葉をつくるのは、調べてみると、茎をつくる分の
エネルギーが省略されるとか、冬の寒い時期、とくに南面の土地では、
土中に蓄えられた地温を受けるのに都合がいいなどの利点があるよう
だ。 ただ背の高い競争相手がいるところでは、陽の光を受けるのに
不利で、ナズナのように時期になると茎を伸ばして、葉を上につけて
いくものもある。 自然の知恵というしかない。


からだの形は、生命の器 
形の医学・しんそう療方 東京小石川
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