Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

#47「Wild Hearts(冒険者たち)」 佐野元春, 1986.

2020-06-07 | Liner Notes
 緊急事態宣言の解除に伴い、週1~2回程出勤するようになり、「ウイズコロナ」や「ニューノーマル」といった言葉をよく耳にするようになりました。

 とかく、感染抑止の観点で新たな生活様式に向けた行動変容の重要性が語られがちですが、ひょっとしたら社会や自らの価値観を大きく見直さざるを得ない契機になるような気がします。

 社会人として約四半世紀の時を経て振り返ると、誰もが成功体験に基づく最大公約数的な「正解」を求められ、応えてきたのかもしれず、誰かが「なぜ?」を問いかけることは、誰もが控えてきたのかもしれません。

「すべての「なぜ?」に
 いつでも答えを求めていたあの頃
 いつか自由になれる日を
 あてもなく夢見てた

 誰かがどこかで
 眠れぬ夜明けを見つめている
 誰もがこころに
 見知らぬ夜明けを抱えている」
 (Lylics by Motoharu Sano)

 プライベートレーベル「M's Factory」を設立した1986年。シングルリリースは年1~2回といった当時の音楽業界の常識を覆した隔月リリース3連作※のエピローグ。

 約四半世紀の時を経てあらためてその3連作を聴いてみると、変化の兆しを意識しつつ、その変化に調和しながらも、あくまでも自己に立脚した自由な思考や表現を通じた価値観が、「ニューノーマル」のひとつのような気がします。

※1986.5.21~隔月同日リリース3連作
#85「Strange Days(奇妙な日々)」
#86「Season in the sun(夏草の誘い)」
#87「Wild Hearts(冒険者たち)」

初稿 2020/06/07
校正 2022/01/06
写真「眠れぬ夜明けのむこうがわ」
撮影 2020/06/05(兵庫・武庫川)

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