Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

§61「置かれた場所で咲きなさい」 渡辺和子, 2012.

2017-01-12 | Book Reviews
 "Bloom where God has planted you."

 置かれたところが自らの居場所、咲くとは人の幸せのために生きること。さすれば必ずあなたを見守ってくれる人が現れるはず。

 とはいえ、咲けない日もあるでしょうから、そのときは根を下へ下へと降ろしましょう。希望は叶わないものもあるけど、大切なのは希望を持ち続けること。そして、一生の終わりに残るものは我々が集めたものでなく、我々が与えたものに他なりません。

 読むひとの心に和らぎをもたらす文章の数々を紡ぐ著者は、ニニ六事件で非業の死を遂げた陸軍教育総監 渡辺錠太郎の次女として育ち、後年はノートルダム清心学園理事長を務めた彼女が、父を撃った相手に自らが関わろうとした信念は、

「信頼は98%、残りの2%は相手が間違った時の許しの為にとっておくこと」

 ボジョレーの娘が摘んだ葡萄は自らの為ではなく誰かの為なのかもしれません。

「あなたが大切だと誰かに言ってもらえるだけで、生きてゆける」

と囁いているような気がします。

初稿 2017/01/12
校正 2020/11/28
写真 ボジョレーの娘
撮影 2016/05/23(大阪・御堂筋彫刻ストリート)

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