Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

§125「多文化世界」 青木保, 2003.

2021-08-13 | Book Reviews
 長男が志望する大学から入学前育成プログラムの事前課題と課題図書が届きました。

 ごく当たり前に過ごす日常のなかで何の疑問もなく使っている言葉の定義を再認識し、その日常を取り巻く社会を意識的に見つめ直すきっかけになればと思います。

 「近代化」は16世紀の大航海時代を端緒としてヨーロッパの文化や宗教が世界に広がった「西欧化」という名の下で、欧米で発達した政治システム、経済システム、あるいは科学技術を自国の発展のために積極的に取り組んだ運動だそうです。

 「グローバル化」は欧米的な価値や基準によって世界を一様化・画一化しようとする運動であるのと同時に、1990年代の東西イデオロギー対立解消後においては文化の多様性もまた根強く存在することも明らかになったそうです。

 文化の構成要素が言語や宗教や民族であることを踏まえると、お互いが理解し共感し学び合うという考え方も必要なのかもしれません。

 人文学系統を学ぶ目的は、哲学・歴史・文学・宗教の立場から人間の在り方(存在)や人間が創り出したもの(文化・思想・歴史・社会)に関わる問題を明らかにして、主語としての人間の在り方がおろそかにならぬような未来を実現することのような気がします。

初稿 2021/08/13
写真 アクアスフィア
撮影 2013/08/13(東京ディズニーシー)
発行 2003/06/20 岩波新書(新赤版)840

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