
「報道特集」というTBSの番組は、その名は変われど中学生の頃から観ていた記憶があるので、私にとって思い入れがある番組のひとつです。
現地取材を通した事実の解説と多角的な評価に力を入れていた番組の制作ディレクターを務めた著者の経験や価値観が垣間見える本です。
アメリカ第一主義を標榜し、民主主義の脅威として目されていた前トランプ政権の支持者へのインタビュー。
「『中央から見放され、忘れられたこの街を、少なくともトランプは見てくれたんだ』その言葉に、僕は彼らの絶望の深さを感じた」(p.38)
富める者とそうでない人々が、お互いの言葉に耳を澄ませようとしなくなったとき、偏見や差別、不満や憤りが深い溝を造り出すのかもしれません。
「もっともらしく聞こえるものこそ、疑おう」(p.94)
「相手の『言わないこと』に耳を澄まそう」(p.99)
「問いの奥にまで耳を澄まそう」(p.124)
そういったことを意識すればこそ、瞳に映る景色は違った光景になるような気がします。
初稿 2022/01/22
写真「陽光(ひかり)のなかで」佐藤敬助, 2003.
撮影 2016/05/22(大阪・御堂筋彫刻ストリート)
発行 2018/06/10 初版 ちくまプリマー新書 299
現地取材を通した事実の解説と多角的な評価に力を入れていた番組の制作ディレクターを務めた著者の経験や価値観が垣間見える本です。
アメリカ第一主義を標榜し、民主主義の脅威として目されていた前トランプ政権の支持者へのインタビュー。
「『中央から見放され、忘れられたこの街を、少なくともトランプは見てくれたんだ』その言葉に、僕は彼らの絶望の深さを感じた」(p.38)
富める者とそうでない人々が、お互いの言葉に耳を澄ませようとしなくなったとき、偏見や差別、不満や憤りが深い溝を造り出すのかもしれません。
「もっともらしく聞こえるものこそ、疑おう」(p.94)
「相手の『言わないこと』に耳を澄まそう」(p.99)
「問いの奥にまで耳を澄まそう」(p.124)
そういったことを意識すればこそ、瞳に映る景色は違った光景になるような気がします。
初稿 2022/01/22
写真「陽光(ひかり)のなかで」佐藤敬助, 2003.
撮影 2016/05/22(大阪・御堂筋彫刻ストリート)
発行 2018/06/10 初版 ちくまプリマー新書 299
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