Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

∫35「教王護国寺(東寺)」 京都, 796.

2017-08-19 | Architecture
 新幹線の南窓を覗くと、「あっ、京都に来たんだな」と感じさせてくれる木造建築最高峰55mを誇る東寺の五重塔。

 古来より王城へ向かう朱雀大路を軸に左京と右京を衛り、東国と西国の鎮護をも司る官立寺院である東寺と西寺。西寺は永い時を経て忘れられつつも、東寺は今もでもなお真言宗の総本山。

 とかく、自らを苦しめるものは、自らがひとかどの者で在るが如く認知し、自らの期待が叶うように都合よく認識した結果、自らの期待が叶わなかった時の憂いや悔いといった意識なのかもしれません。

 もはや、移ろわぬものが在らざればこそ、なにものにも帰依すること無く、自らを顧みず誰かの為に行動すること。

 ひょっとしたら、真言とはそういった決意や覚悟かも知れず、それこそが悟りの境地なのかもしれません。

初稿 2017/08/19
校正 2020/11/09
写真 教王護国寺(東寺真言宗)
撮影 2016/06/02(京都・九条)

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