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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

吉川宏志(私的解釈)ひのくれは。

2022-02-17 06:51:38 | 吉川宏志

 ひのくれは死者の挟みし栞紐いくすじも垂れ古書店しずか

 この空気感、なんと言えばいいのだろう。手放された古い本の持ち主はすでに故人の可能性が高い。本には故人の心が眠っている、眠りから覚めたような栞の紐は一瞬揺れたりしなかったろうか・・・見れば幾筋も眠りから覚めた読書家の精神が名残惜しそうに俯き垂れているではないか。
 ひのくれの棚の本の騒めきは、湿度の高い悲しみに暮れている。しかし、気づけば物音一つしない静寂。この幻想は死霊のなせる囁きだったのかもしれない。


 ひのくれ(日暮)はジツ・ボと読んで、実、母。
 死者の挟みしはシ・シャ・キョウと読んで、死、謝、挟。
 栞紐はカン・チュウと読んで、棺、衷。
 いくすじも垂れ(幾筋垂)はキ・キン・スイと読んで、祈、襟、推。
 古書店しずか(古書店静)はコ・ショ・テン・ジョウと読んで、古、諸、展、状。

☆実母の死に謝(詫びる/礼をいう)、狭い棺。
 衷(心の中)で祈り、襟(心の中)で推しはかる。
 古(長い年月)の諸(もろもろ)展(顧みる)状(ありさま/母の人生)がある。
《ごめんなさい、そしてありがとう》母は永遠である。


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