特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

韓国を休もう!

2005-03-03 23:46:00 | 韓国留学記
 晴れ。最低気温-4度。最高気温2度。

 「お雛祭り」の今日は朝からスポーツクラブへ。じっくり二時間汗を流し、昼食を食べたら強烈な睡魔が襲ってきた。でも体調はすこぶる良い。暖かくなってきたお陰か・・・?

 会社勤めをしていた頃の話しである。
 
 毎年十二月入ると、取引先の方が年末のご挨拶に訪れ、翌年のカレンダーを置いていかれる。壁掛け式や卓上式、中にはマウスパッドになっているものもある。しかし今どきマウスパッドを持ってい人などいないので、この手のカレンダーは人気が無い。一番人気はメモのスペースが大きく取ってあるシンプルなデザインの卓上カレンダーだ。会社名は小さく、目立たないほど喜ばれる。画数の多い漢字が並ぶ、社名が大きく印刷されたものは、決まって引き取り手がいない。

 このカレンダーのセンスが、翌年一年のその会社のイメージを大きく左右するので決してあなどるなかれ。特に女性社員のカレンダーに対する“目”は厳しい。

 「部署の皆さんでお使い下さい」といって多くの場合、複数部戴ける。そのため人気のある取引先のカレンダーは女性社員達から「事前注文」が入る。当初の予想部数を下回ったりして「オーバーブッキング」をしてしまうと、自分が使う予定だったモノを女性社員に回してあげることもある。こればかりは“供給の予測”を誤った私の責任だ。

 女性社員にお目当てのカレンダーをあげると、まず彼女たちはゴールデンウィークをはじめとした祝日の並びを全てチェックし、一喜一憂する。頭の中ではすでに来年の“有給休暇日数”の計算と併せて“旅行計画”とが着々と練られているのだ。

 今朝の新聞の一面に『植木日(シンモギル=日本の“みどりの日”に該当)を来年から祝日とせず』という記事があった。公務員の週休二日制施行(2005年7月1日)により官公庁の休みが相当増えるという指摘を受けたものだそうだ。『制憲節(チェホンチョル=日本の“憲法記念日”に該当)』も2008年から祝日にしないとの由。

 ただでさえ少ない韓国の祝日を更に二日も減らすなんて、時代に逆行しているとしか思えない。
 韓国の現行の祝日を新聞記事をもとに列挙してみると合計十六日で詳細は以下の通りだ。

 国慶日(4日):三一節(3/1),制憲節(7/17),光復節(8/15),開天節=紀元前2333年、韓国に国家として古朝鮮ができた建国記念日(10/3)
 名 節(6日):ソルラル(旧正月)連休(3日間),チュソク(秋夕=旧盆)連休(3日間)
 記念日(3日):植木日(4/5),こどもの日(5/5),顕忠日=独立運動家や戦没者の霊を弔う日(6/6)
 誕生日(2日):釈迦誕生日=花祭り(陰暦4/8),クリスマス(12/25)
 その他(1日):元日(1/1)

 日本の国民の祝日は合計で十四日(国民の休日を含めば十五日)で韓国より少ないが、単純に祝日の数だけでは比較出来ない。なぜなら韓国には「振り替え休日」の制度が無いからだ。従って、祝日が日曜日に当たっても翌月曜日は休日とならない。

 しかしながら、韓国内では「日本よりも祝日が多くて、休み過ぎだ。もっと働かなければならない」という声をしばしば耳にする。だからこそ今回の「祝日削減」に至ったのだろう。しかし、大企業を除いては、まだまだ週休二日制は浸透していないのが実情だ。また、年末年始も十二月三十日まで働いて、一月三日から仕事始めというのが一般的である。夏期休暇も土日を含めて四~五日という会社が多い。日本のように前後に土日を挟んで九日間も休んでいたら、冗談抜きで自分の机が消えている可能性が高い。二月末に発表された今年一月の韓国の失業率は全体で3.9%。特に若年層(十五~二十九歳)の失業率は8.7%と深刻である。

 ワークシェアリング(仕事を分かち合うことによって、労働時間を短縮・均等化し、雇用確保を計ろうとすること)の導入が叫ばれている昨今、単に“祝日の数を減らせば良い”という考え方は、それこそ“お上(官公庁)的思考”であり、大多数を占める“中小企業”の実情を全く無視した「愚策」ではないだろうか?

 もし日本の企業に勤める女性社員が韓国のカレンダーを見たら“有給休暇日数”の計算や“旅行計画”を練る前に「求人誌」を買いに走ることだろう。

 マンガは韓国の新聞『朝鮮日報』に載っていたもの。

 タイトル:『貴重な二日の休日が・・・』
 場所:とある中小企業の食堂
 テレビニュース:週休2日制勤務により、植木日と制憲節を休日から除外
 社員:「すべての会社が週休2日制だと思ってんのか?」

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