⚡️米ヌカ道楽倶楽部⚡️ 微生物の無限の可能性

農業と林業をベースに、微生物の力を最大限活用して環境再生に取り組んでます。このブログは活動と日々の暮らしの記録です。

竹林四反半全伐

2024年02月08日 11時45分25秒 | arborist
約、1400坪の荒れに荒れていた竹林を三年間かけて伐採していましたら、やっと終わりが見えて来ました。残す所あと10本ちょっとで完全に全伐採です。


行ったのは冬の間、11月から2月の寒い時期に根から1メートル、2メートル位の所を切って切って切りまくりました。

かけた日数は年に30日程。傾斜面だから結構大変でしたが、大分コツを掴んだので仕事としてもかなり自信がつきました。


最初は、エゲツない位の本数と不法投棄のゴミに参りまくってたけど、少しずつ明るくなる森に途中で辞められなくなって来ました。大切なのは、根性です(笑)
















そしてアフターがこれ。














現場にチッパーを持ち込めたらメチャクチャ効率が良い上に、そのまま山の土壌に還元出来ます。ボクはその竹チップに強力な微生物資材を混入させて堆肥化していますが、これがとてつもなく良いです。


カブトムシ、クワガタもとっても増えました。鳥の数も増えました。



来年からはハナガガシという幻のカシの木を復活させます。九州に数本しか残っていない木で、元々は(江戸時代)熊本や宮崎には沢山あったそうです。



経済と言うお金目線で自然環境を観たら、開発して工場を誘致したり、高速道路を作ったり、ソーラーを貼ったりする兆候が有りますが、この狭い日本で乱開発をしまくったら、それこそ数十年後には日本人は安全な飲水も無くなってしまうかもしれないですね。



ゾウにアリが立ち向かうレベルですが、アリも大群になればゾウだってアナコンダだってあっという間に骨まで食い尽くしてしまいます。


まずは身近な数ヘクタールの森を、鎮魂の杜に戻すのがはじめの一歩です。


ほんの数年前に、本多静六さんと言う方が明治神宮の杜を綿密な計画でお造りになったと言う事実を知って驚愕しました。

彼はドイツに森林学を学びに行ったそうです。

ボクの木登りワークの先生はイギリス人です。


仲の良い物理博士はカナダ人です。

彼等の共通の認識は、森を管理する意識はドイツやスイスが世界トップレベルだそうです。


ほんの100年ちょっと前の日本人には、そのドイツ人にもリスペクトされる位の凄く実践的で行動力のある人がいたのです。


本多静六さんが今の日本の森林を見たら絶叫するでしょうね。そんな本多静六さんは、粗末な暮らしで残ったお金は投資で増やしまくり、亡くなる前に全て寄付してしまったそうです。


ボクには投資のスキルは皆無なのでハナガガシのドングリを拾いまくって、新しい自生地を作りたいと思います。


荒れた孟宗竹林が豊かに再生していく過程とノウハウは、また日記に書きます。



恐怖を友達に

2023年10月31日 20時53分00秒 | arborist
人間生きていれば色んな怖さがある。


苦手なアイツや、恥をかいてしまう恐怖、失敗するリスク。沢山あるだろう。


時には死ぬリスクさえも。病気、事故、仕事にスポーツ。考えたら、生きてる事がリスクだらけだ。


ボクについて考えると、以前の場所から移り住んだリスク、生計をたてる生業を決め、それで生きていくリスク等が当たります。


引っ越して農家として生計が立てられなくなり、山仕事を学びました。それも普通の山仕事ではなくて、高所作業での山仕事です。


それが今のボクの生業。あちこちに習いに行きましたが、やっぱ実戦が今の自分の立ち位置が分かって学び多いです。


そんなボクに、ちらほら仕事を依頼して下さる方が少しずつ増えて来ましたが、今回の現場は今まで仕事して来てこんなにリスクと責任を感じた事はありませんでした。


案件は、家の裏の雑木林皆伐作業です。


簡単に言って危険、ヤバめに言って、家壊すかも。な仕事。でもバカだから引き受けてしまいました。。。


特殊な伐採を受け持つ業者の数割安い金額を想定して見積もりしたら、通ってしまいました。


ビフォーがこれ。









アフターでこれ。









かかった日数は二人、たまに三人で約10日。


こうして遠目で見るとあっという間に感じるけど、毎日吐きそうでした。



人を集める事、段取りする事、そしてその人間をケアする事。金を稼ぐ以上に、一番学んだ事は謙虚さだと思いました。



一人では本当に何も出来なくて、自分の実力など全く当てにならない事。そして恐怖との付き合い方をとても強く意識する事のキッカケになりました。


ボクがとても参考にしているのがあらゆるXSPORTSの猛者たちです。


この人達は命懸けの競技に向き合う毎日の中で、リスクといかに付き合うか真摯に考え、実行されています。


日本には芸事や武芸など、沢山の蓄積された真髄が有りますが、実際に命懸けの競技と向き合われている方々と照らし合わせると恐怖とどう付き合えば良いのか少しだけ紐解けるのでは無いかと思った次第です。



まず、そもそもの恐怖思考は、自分には出来ないと言う勝手な自己抑圧です。


経験が浅いから。監督してくれる人がいないから。と言うはじめから誰かを当てにする思考パターンです。


次に、失敗したらどうしようと思い込む負の感情です。これを細分化する事は非常に有効だと思いました。


具体的に、もしもロープが切れて家をぶち壊したら。もしもロープが切れて自分が落下したら。手伝ってくれている職人が怪我をしたら。


この場合の恐怖は逆に捉えると助け舟です。じゃあどうする。と言う、サブの保険を数パターン考えられるからです。


そうです。リスクは安全を産む母なんですね。こんな当たり前の法則を学ぶキッカケになりました。


そしてそのリスクを解消出来ない時、


挑戦するべきでは無いと言う決断が出ます。それが本当の実力、現状であると思います。


今回の現場では、ボクはラッキーがありました。それは、雇い入れた人達がボクに無いスキルを持っていた事です。


人間を見るにも、もっと多角的に大らかに観察して、菩薩の心を持って接する余裕が必要みたいです。いちいち角を立てていたら、自分の首を絞めてしまいます。

かと言って放任でもダメですね。


最後に、やはり大事なのは心でありますね。


我が良いではつまらんです。


なるだけ関わった人間が良い方向に向かって行く事が仕事の本質だと思います。


例えそれがカス相手でもです。



天はボクに色々遠回りさせる様に思いますが、多分10年後くらいに、あーなるほどなぁ〜と思う結果に至りそうです。先ずは、そこまで健康に生きていられる事を目標にしていきますね。


生きている時の沢山の恐怖と、みんなが真剣に向き合って壁を突き抜けていける事を願っております。



どうせ今生で一回は死ぬんだから。



自然の再生力

2023年07月15日 01時25分00秒 | arborist
荒れていた山の手入れを始めてから、今までで一番嬉しかった事が起こりました。



今年の梅雨真っ只中にカブトムシやクワガタがとても多く出現したのだ。


いつもの様に、犬の散歩にヘッドライトを着けて夜に自宅の周りを歩いていると、大きなカブトムシが飛んできた。迷ったのか?と思い、自宅裏のクヌギ畑に放しに行くとそこは蜜を求めて集まった沢山のクワガタやカブトムシがとまっていたのです。


今まで全くこんな事は無かったのになんでだろう。と思っていたら、竹チップを堆肥にした所にカブトムシのメスが産卵に来ているのを見つけた。









以前の藪や竹に侵された山では、餌になる蜜源や隠れる腐葉土がない事、繁殖に必要な数が足りない事で集まらなかったと思う。


では何故増えたのかと言うと、竹を刈りまくり陽射しを山に当てて植生を増やした事、陽当たりの良くなった事で雑木が大きくなり、蜜が出やすくなった事が想像出来ました。


つまり、自然の遷移を人間の手で速めまくった結果、昆虫が集まって来た。以前は人工林とバランスを崩した竹の侵食山だったので鳥も餌が少なく集まらなかったけど、最近は朝から夕方までうるさいぐらい鳴き声が聞こえます。


引っ越して来てすぐに土砂が崩れていたけども、最近は崩れません。少しずつ雑木の種が芽吹き、根を張りつつあるからです。雑草が沢山生えて水も浸透し易くなっていると思います。



近年の九州では長雨で大被害が続出してます。もう毎年確定してるようなイベントになってしまっている。なんで九州がこんなに多いんだと思うけど、分かり切っている答えは、、、


『杉や檜の植林のしすぎ』


だと思います。山のてっぺんから里山、裾野まで植林の挿し木だらけ。


奥山から家の真裏まで杉と檜で埋め尽くされた山は、植林された挿し木苗で根がとても浅く、山の土をホールドしないから崩れるのは当たり前だろうと思います。ニュースの土砂崩れを見ると、だいたい植林地が崩れているか、山のてっぺんが産廃や無理な開発を行われているか、もうパターンは確定しているのではないでしょうか?


田舎の山奥にいると必ずソーラー事業や牧場誘致などの胡散臭い話がちらほらあるけど、その後何が起こるか分かって誘致するのでしょうか?事業者は金になれば何でもやるのでしょうか。



こんな事をしていたら、あっという間に水問題に繋がると思います。他人事ではないですよ。

白樺山地や奥入瀬渓流なんかでこんなに酷い土砂崩れが起きるのだろうか。否、起きませんね。


なぜなら極相林という自然の遷移が極まっている場所では根が緻密に深く織りなしていて、水を地中にしっかりと蓄えられるからです。


阿蘇の醜いメガソーラー発電も少し騒がれて来たけどもう遅いですね。手遅れです。本当に無念です。たった数名が得するだけの利権に流れる人達がいる事。それが人災となって自然の揺り戻しが起きて哀しい結末になる事。想像力なんて無くても分かりきった事ですね。




社会を変える事は出来ない。この流れは変える事は出来ない。残念だけど、救えない。変えられるのは自分だけだから。



だから、自分を磨いて影響力を持つしかない。



スマイルでめっちゃ楽しんでスーパーマンになる。しかないと思ってます。子供達が懐いて憧れる様な存在になる事がただ一つの希望な気がします。









変わらない性

2022年12月13日 07時26分14秒 | arborist
ボクのいる場所にはいつの時代に作られた物か分からない石垣が沢山ある。




その多くは荒れて崩れたり、植林されたりしているけど、原型をビクともせずに留めている所も少なくない。

今回その一部を探索していたら、ボク的に凄く面白い環境を見つけてしまったのでメチャクチャ興奮してしまいました。


棚田に流れる小川の下流には、ちょっとした池があってそこには手長エビと山太郎カニ、ウグイ等がが沢山いた。




夜に行くと、5月末にはホタルが飛び回ってるし川を覗くと手長エビがわんさか出てきている。


そして水も美味しい!なによりこれが一番。


ガキの頃からこんな遊びばっかり。
生き物好きはいくつになっても変わらない。


ウナギの良く採れる場所も見つけた。鰻屋さんには悪いけど、天然のウナギを自分の好みのタレを仕込んで喰ったら、鰻屋に金を払いたくなくなっちまうよ。






熊本の鰻屋は赤酒を煮きってコク出しと甘みに使うみたい。でもボクは関東の鰻屋が好みだから甘さ控えめでちゃんと蒸して焼くのが好き。



ウナギ以上にソバも大好物で、打ち方を習いたい。と思ってたら、先月仕事で行った島根で、仲間の奥さんが蕎麦屋さんだった。コツは何?と聞くと、99%そば粉の鮮度だと聞いた。


なるほどなー!旨い蕎麦屋は昼で閉店するのはそういう事かと改めて納得した!


蕎麦は焼き畑のあと作るのが習わし。なら、ちょうど竹林を伐採しまくって燃やしまくっている所に播種してみたい。日本ミツバチの為にもなる。確か、竹の暴走を抑える効果もある。そして何より新そばをいの一番に喰らえるとなったら、もうやるしかねぇぜ!10割の田舎そばを嫌っていうほど喰いたい!


島根に行ってビックリしたのはその山の深さ。秘境に住んでるねと皆に言ったら失礼だと言われたけど、少しいたらすぐに慣れてきて凄く居心地が良くなった。




泊まった場所は日本有数の間欠泉の宿。お湯は真っ赤っ赤でカルシウムがメチャクチャ多いみたいだった。


地元の人が入りに来るけど大体が山仕事をしてきたご老人。


顔は年寄りだけど、身体は若かった。身体を仕事で作ってきた一昔前の人間は、本当に美しいなと思った。ボクも年をとっても衰えない身体を、いや、若い人間がとても追っつかない身体を作ろうと決めた。身体のピークは死ぬ寸前だと信じるのだ。


色んな場所に行って北から南まで温泉は沢山入ってるけど、ボクは故郷熊本の県北の温泉、湯の華が浮く炭酸泉でトロトロしているのが一番身体に合っている気がする。


結局、水の周りで遊ぶのが大好きだし一番落ち着くって話。


水を育んでいるのは豊かな雑木地。スギ・ヒノキの植林地ではない。


イノシシや熊はなんて贅沢なんだと思う食材を島根で教えて貰ったので紹介したい。


それは、しいの実のドングリ。


お酒好きな人にはピッタリのアテじゃないかな。


あまり美味いので、一人で全部平らげてしまった。他にも沢山美味しいドングリはあるらしいのでドングリソムリエになろうかなと思う。









竹林整備

2021年10月09日 00時51分32秒 | arborist
この度、新たに仕事とは別に森林再生を目的とした小さな組織を作りました。

自分達の環境は自分達で復元、再生して行こうじゃないかという思いであまり気張らず、楽しくやろうがモットーなメローな団体です。と言っても、代表のボクだけはメローの真逆でスーパーサイヤ人と言われていますが。

メンバーは総勢5人。皆それぞれ個性的で仕事もバラバラ。












この荒れに荒れまくった竹林を、かつてこの地に生えていた「ハナガガシ」と言う樫の森に戻すべく、団体名を「ハナガガシの杜プロジェクト」としました。


大型チッパーも導入し、年内の納入が楽しみです。

竹は想像していた以上に有効活用出来そうで、ビニールハウスも小屋の屋根も雨樋も、そして何より竹炭と言う素晴らしいラジウム物質も作れるので、整備と同時に活用の幅も増やして行けたらと思っています。


チップ処理した竹粉は放置していたらカブトムシやクワガタが卵を産みに沢山やって来るので、実はそれが一番楽しみだったり。子供の頃にフデバコに入れて持ち歩いていたミヤマクワガタ、ノコギリクワガタがわんさかいる様な、そんな森になると良いな。


まずは3年で2ヘクタールの竹林を全伐、間伐して見違える様な環境に戻してやる計画です。

仲間が増えることを期待しております!