しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「地下道の少女」  アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム 

2020年03月16日 | 読書
「地下道の少女」  アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム     ハヤカワ・ミステリ文庫   
  FLICKAN UNDER GATAN     ヘレンハルメ美穂・訳

強い寒波に震える真冬のストックホルム。
バスに乗せられた外国人の子ども43人が、警察本部の近くで置き去りにされる事件が発生した。
さらに病院の地下通路では、顔の肉を何カ所も抉られた女性の死体が発見された。
グレーンス警部たちはふたつの事件を追い始める。
難航する捜査の果てに、やがて浮かび上がる、想像を絶する真実とは?
地下道での生活を強いられる人々の悲劇を鮮烈に描く衝撃作。
   <文庫本裏カバーより>

『制裁』『ボックス21』『死刑囚』に続く、エーヴェルト・グレーンス警部シリーズ。





スウェーデンと言えば福祉国家のイメージが定着している。
それが、見て見ぬ振りをしている事がある、と。
地下に暮らす人々。
日本にはそんな大きな地下道はないが、あったらきっと暮らす場所になるだろう。
色々な理由で住む家がなくなった人たちがいるのはどこも同じ。
もっと行政の力で何とかならないのだろうかと思う。
国際的な事件だった、多数の子ども置き去り事件。
ストリートチルドレンの問題。
そんなことを考える人間がいるのかと信じられない気持ちになる。
しかし、ルースルンドの物語はいつも真実が含まれている。

エーヴェルト・グレーンスとアンニの2人にも辛いことが。
より頑なになるグレースン。
暗く暗く、明るい材料がひとつもない様な物語。
だが、これが現実なのだと突きつけられる。
自分たちで道を選べる年齢と、まだ幼く何もできない年齢。
悲惨なことが起きている。


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