「ボックス21」 アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム ハヤカワ・ミステリ文庫
BOX21 ヘレンハルメ美穂・訳
リトアニア人娼婦のリディアは売春斡旋業者から激しい暴行を受け病院へと搬送された。
意識を取り戻した彼女はある行動に出る。
医師を人質に取り、地階の遺体安置所に立てこもったのだ。
同院内で薬物依存患者の殺人事件を捜査していたグレーンス警部は、現場で指揮を執ることになるが…。
果たしてリディアの目的は?
そして事件の深部に秘められた、あまりにも重い真相とは何か?
スウェーデン警察小説シリーズ第二弾。
<文庫本裏カバーより>
このシリーズを順番に読んでいないのを後悔しつつ。
「制裁」「死刑囚」「三秒間の死角」と読んできた。
エーヴェルト・グレーンス警部はもっと不正を許さない人かと思っていた。
だから今回の決断には戸惑った、というか嫌悪感しかない。
そんな人物がなぜ、「三秒間の死角」ではそうも憤るのか。
あの時も、ただ自分の感情を別の物へとぶつけていただけなのか。
しかし、この時期が1番偏屈なっていたのか、到底好感が持てる人物ではない。
ある意味自分の為。自分の気持ちが1番落ち着ける解決法がそこだっただけ。
最後の1頁は、驚きではなく「やっぱり」だった。
そういう展開の物語にも触れているし、それまでの応対に違和感があった。
スヴェン・スンドクヴィストがクライぺダから戻って来て最初に会いに行ったのは、それが理由かと思った。
何か掴んできたのかと。
まさか、スヴェンまであんな決断をしてしまうとは。
そこまで守りたい人物なのだろうか。
リディアは死んでしまったから、命がけの訴えも無視出来るのか。
リディアの遺体安置所での行動も、予想が付いていたので意外には思わなかった。
この問題に、いつか決着を付けたいと言うエーヴェルト。
その日が来る物語はあるのだろうか。
その時は自らの過ちにも気が付く日になる。
その苦痛を読みたいと意地悪な気持ちになる。
後味の悪さだけが残こる物語。
しかしこれは、現実の問題でもあるのだ。
エーヴェルトとスヴェンの関係は、テレビで見た『モース警部』のモース警部とルイス刑事のようだった。
部下の家庭のことなど想像つかない、それでも有能な上司。
BOX21 ヘレンハルメ美穂・訳
リトアニア人娼婦のリディアは売春斡旋業者から激しい暴行を受け病院へと搬送された。
意識を取り戻した彼女はある行動に出る。
医師を人質に取り、地階の遺体安置所に立てこもったのだ。
同院内で薬物依存患者の殺人事件を捜査していたグレーンス警部は、現場で指揮を執ることになるが…。
果たしてリディアの目的は?
そして事件の深部に秘められた、あまりにも重い真相とは何か?
スウェーデン警察小説シリーズ第二弾。
<文庫本裏カバーより>
このシリーズを順番に読んでいないのを後悔しつつ。
「制裁」「死刑囚」「三秒間の死角」と読んできた。
エーヴェルト・グレーンス警部はもっと不正を許さない人かと思っていた。
だから今回の決断には戸惑った、というか嫌悪感しかない。
そんな人物がなぜ、「三秒間の死角」ではそうも憤るのか。
あの時も、ただ自分の感情を別の物へとぶつけていただけなのか。
しかし、この時期が1番偏屈なっていたのか、到底好感が持てる人物ではない。
ある意味自分の為。自分の気持ちが1番落ち着ける解決法がそこだっただけ。
最後の1頁は、驚きではなく「やっぱり」だった。
そういう展開の物語にも触れているし、それまでの応対に違和感があった。
スヴェン・スンドクヴィストがクライぺダから戻って来て最初に会いに行ったのは、それが理由かと思った。
何か掴んできたのかと。
まさか、スヴェンまであんな決断をしてしまうとは。
そこまで守りたい人物なのだろうか。
リディアは死んでしまったから、命がけの訴えも無視出来るのか。
リディアの遺体安置所での行動も、予想が付いていたので意外には思わなかった。
この問題に、いつか決着を付けたいと言うエーヴェルト。
その日が来る物語はあるのだろうか。
その時は自らの過ちにも気が付く日になる。
その苦痛を読みたいと意地悪な気持ちになる。
後味の悪さだけが残こる物語。
しかしこれは、現実の問題でもあるのだ。
エーヴェルトとスヴェンの関係は、テレビで見た『モース警部』のモース警部とルイス刑事のようだった。
部下の家庭のことなど想像つかない、それでも有能な上司。
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