しましましっぽ

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「ヒポクラテスの憂鬱」  中山七里

2020年11月12日 | 読書
「ヒポクラテスの憂鬱」  中山七里   祥伝社文庫    

埼玉県警のホームページの掲示板に〈修正者コレクター〉を名乗る書き込みがあった。
今後、県下で起きる自然死・事故死に企みがないかどうか見極めろという。
同日のアイドルの転落死にも言及したため、県警の古手川と浦和医大法医学教室の助教・真琴は再捜査と遺体の解剖に臨んだ。
結果、炙り出されたアイドルの秘密と司法解剖制度の脆弱さとは? 
シリーズ第二弾。
     <文庫本裏カバーより>






第1弾の「ヒポクラテスの誓い」よりも、パワーアップした感じで面白かった。
解剖する案件も無理がない。
ただ、コレクターは誰かと言う事は、早々に予測は付く。
それは、動機はもっと純粋な物かと思っていたので、そこは大違いだった。
そして、その過程が何だか遠回り過ぎると言うか、これはちょっと作り過ぎな印象。
この人物が彼女にとってそんなに大事な人物なり得るのだろうか、なんてことも。
それほど細かく書かれている訳ではないが、彼女の性格から考えると、不思議。
真琴の気持ち表現は1作目から引き続き、うっとおしく感じる。
そして、無理に真琴と古手川をくっ付けなくてもいいのにと思ってしまう。
その辺りが軽い物語に見えてしまうのだが、それは事件が悲惨な物が多いからバランスを取っているのだろうか。
そう、事件は常に死体から始まるので、やり切れない思いがある。

死の原因を内面まで推し量るのに、解剖が役立つ。
気持ちの面まで踏み込んで事件を捕える。
それが一貫しているのがいい。


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