しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「連続殺人鬼カエル男」 中山七里

2020年11月15日 | 読書
「連続殺人鬼カエル男」 中山七里   宝島社文庫   

口にフックをかけられ、マンションの13階からぶら下げられた女性の全裸死体。
傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。
街を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の犯行だった。
警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに…。無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の目的とは?
正体とは?警察は犯人をとめることができるのか!?
    <文庫本裏カバーより>






中山七里さんのデビュー作『さよならドビュッシー』と同時に応募された作品。
そうか、この第一歩から古手川刑事がいたのだ。
タイトルから、あまり読もうとは思っていなかったのだが、古手川刑事が出ていると知り手にした。
まだ新米刑事の古手川とベテラン渡瀬のコンビ。
古手川は少しずつ渡瀬に慣れて行ったのかと思ったら、最初からものおじしないで接していた。
古手川の生い立ちも分かる物語。
もし、これが出版されなかったら、別の物語で書かれたのかな、などと思ったりもして。
カエル男の事件は残酷だけれども、何故と言う疑問で推理が楽しめる。
犯人と思える人物も2転3転。
それも納得できる展開。
有名な推理小説のパロディかと思われるものが出て来たが、それも楽しめた。
理由はやはり同じなのだが。
そして、最後の1行でも、ドキリとさせられた。
ああ、ここまで計算していたのね、と。
面白かったけれど、中山さんは警察を襲うのが好きなのか。
いくら恐怖に落とされ、警察が犯人を直ぐに見つけられなくても、あんな事にはならないと思う。
暴動が起こる国もあるが、日本ではないだろう。
そして、もし起こったとしてその後の事が何も書かれていないのが不自然。
長々と書かれたシーンだが、これはいらないと思った。
そして、古手川が「ヒーローは死なない」のパターンになっているのも気になった。

読み終わった後で知った。
テレビドラマになって放映された事。
残念、見たかった。
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