しましましっぽ

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「ドロシイ殺し」 小林泰三

2020年07月24日 | 読書
「ドロシイ殺し」  小林泰三  東京創元社 創元クライム・クラブ   

蜥蜴のビルは砂漠で干からびている所を通りかかったドロシイ達に助けられる。
そこはフェアリイランドで、ドロシイと案山子とブリキの樵ニック・チョッパーとライオンはオズの国のエメラルドの都に行く所だった。
ビルがアーヴァタールの井森が地球にいると話す、ドロシイも自分のアーヴァタールが地球に居ると言う。
ドロシイはビルをエメラルドの都でこの国の支配者、オズマ女王に会わせる。
オズの国で魔法を使えるのは3人だけで、オズマ女王と魔女のグリンダとオズの魔法使い。
3人は正しい魔法しか使わないと言う。
それはオズマ女王が判断したからで、オズマ女王は間違う事がないと言う。
ビルはその考え方に混乱する。
井森はビルがまた違う国に迷い込んだ事を心配していた。
そして、ドロシイと友人の樹利亜と知り合う。
樹利亜はオズのジュリア・ジャムのアーヴァタールだった。
井森もオズの国の独裁体制に疑問を感じるが、ドロシイや樹利亜はオズマ女王に絶対的信頼を寄せていた。
そして、オズマ女王の誕生パーティーの時、オズでは起こりえない筈の殺人事件が起こる。
宮殿内で護衛のジンジャーが殺され、その後も殺人が続く。







ビルが迷い込んだのは、オズの国。
『オズの魔法使い』シリーズからの登場人物で物語は進む。
自分は『オズの魔法使い』とその次の物語知っているくらい。
オズの国の住人も個性が強いと言うか、魔法が使えるからか、不思議な生物が沢山で騒々しいくらい。
何でも有りな感じ。
それを不思議とは思わない住人だが、ビルの素直な疑問は的を得ていて面白い。
どの世界にも、色々な事が起こっているんだな、と。
オズと連動して、地球でも事件が続発。
地球でもキャラクターが強くて、何だかドタバタ。
誰が誰のアーヴァタールなのかを考えながら。
謎解きの要素も強いが、見聞きした事がそのまま証言にならないオズの国。
オズマ女王を信用していいのかどうかも、井森やビルの思考から考えてしまう。
それでも、犯人を名乗る人物の登場や証言などから推理が進んで事件は解決へ。
自分もドロシイが何処にいるのかの謎がずっとあったのだが。
殺人犯の動機はとてもありきたりの物だった。
しかし、殺人の場面はかなりグロテスク。
そして、その後の展開がまた凄まじい。
オズマ女王は絶対的な力でオズを守っている、と言えるのだろうか。
いや、自分の世界を楽しんでいるだけか。

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