しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「日記は囁く」 イザベル・アベディ 

2021年02月04日 | 読書
「日記は囁く」 イザベル・アベディ    東京創元社   
 Whisper        酒寄進一・訳

写真家を目指す十六歳のノアは、母親とその友人ギルベルトとともに、美しいヴェスターヴァルト地方の村に建つ、築五百年の屋敷を借りてバカンスを過ごすことになった。
ある夜、超心理学に詳しいギルベルトに影響され、降霊術を行ったノアと村の青年ダーヴィトは、その家で三十年前に殺されたという十八歳の少女、エリーツァの霊を呼び出してしまう。
彼女の語ることは本当だろうか?
真相を究明するため、ふたりは密かに探りはじめるが……。
        <単行本カバー見返し側より>






ノアの母親のカートは女優で、父親はいない。
カートは子育てには関心がなかった様で、今は友達のような関係になっている。
だからか、ノアはかなり大人っぽくて、母親の方が頼りにしている所もある。
ギルベルトはゲイでカートともノアとも友人関係。
村に来る前に、ノアにはショックな事があり、落ち着かない気持ちでいる。
ノアの気持ちの揺れが丁寧に書かれる。
少女が困難から立ち直る、青春物語。
メインにあるエリーツァの事件。
ミステリーっぽい謎解きは、事件の本人のエリーツァに何度も話を聞いて進展。
だから、あまり謎解きの面白さは感じられない。

エリーツァは、ノアよりずっと子ども。
悲しみや困難の中にあるのは、ノアと同じであるのに。
自分の人生を始めるのに、なぜ他人の不幸が必要なのだろう。

エスターの気持ちも分かる。
エスターはもっと上手くやれる方法があった気がする。
作者は児童文学からヤングアダルトまでと解説で知る。
だからか、自分には少々物足りなかった。
ヤングアダルトでも面白いものもあるが。

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