しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「暗闇の教室」  折原一  

2005年10月14日 | 読書
日照りに見舞われた夏。ダムも干上がり、水底に沈んでいた緑山中学校が姿を現す。
その廃校で肝試しの怪談「百物語」を行った中学生4人組。
緑山には、連続婦女絞殺魔の浦田清と、指名手配中の過激派、那珂川映子が潜むと噂されていた。(モデルがいる2人ですね)
中学生は何かに操られた様に浦田と那珂川の怪談を語って行く。
そしてその中に、台風の接近で道に迷った、同級生と担任の教師も合流する。
それから20年後、再びダムが干上がり、廃校が姿を現す。
担任だった教師の呼びかけで、再び廃校の集まった同級生達に、何者かが復讐の憎悪を向ける。

読んでいて、段々怖くなり、これはミステリーだよね、ホラーではないよね、と問いかけていた。でも怖い話だけれど、そこそこの怖さで、後から暗闇で思い出しても大丈夫な位で、面白かった。
これはミステリーだ。
本当の事かと思ったら「百物語」のひとつだったり、幻想もあるのか・・・。
でも、最後が一応(?)きっちりと話は辻褄があって、結論はつく怖さ。
最後に「えー、そうなんだー」と戻って読み直すと、「なるほど」と楽しめる。
折原さんは、短編は読んだ事はあるが、長編は始めて。
叙述トリックの第一人者だそうだ。そういえば、短編もそうだった。
書き方によって、読み手を翻弄させる、叙述トリック。こう言うのも面白い。
次の作品を読む時は、色々疑って見破ってやろうと思うのだが、きっとまた騙されるんだろうな。


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