しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「殺意を呼ぶ館」  ルース・レンデル

2013年04月27日 | 読書
「殺意を呼ぶ館」  ルース・レンデル    上・下巻    扶桑社ミステリー
 The Crocodile Bird             小尾芙佐・訳

森の中にたたずむトバイアス家代々の屋敷シュローヴ館―
イヴとライザの母娘は館の管理をしながら、ライザが十六歳のときまで世間と隔絶された環境でひっそりと生きてきた。
だが警察官がやってきた夜、イヴは娘に館を出てロンドンに行くよう命じた。
ライザはイヴの指示には従わず、ひそかに愛し合っていた庭師のショーンのトレイラーハウスに身を寄せる。
彼の驚きをよそに、ライザは母が殺人を犯したこと、しかもこれが初めてではないことを打ち明け、驚くべき物語をシェヘラザードのように語って聞かせるのだった・・・・。
    <文庫本上巻裏カバーより>

館の当主ジョナサンと愛人関係にあった美貌の母イヴは、ライザが四歳のとき最初の殺人を犯した。
犯行は知られぬまま、母と娘の神話的生活は続き、イヴは自らライザに古典的な最高の教育を施した。
世界を飛び回るジョナサンと結婚する夢も消え、館の絵を描いた画家ブルーノとの生活にも亀裂を深めるイヴ。
彼女はなぜ世捨て人のような生き方を選んだのか?
ついに勾留された彼女の口から明らかにされた悲しむベき真相は、娘の胸をも刺し貫いた。
巨匠レンデルが絶妙の語り口で描いた人間性の秘密!
  <文庫本下巻裏カバーより>








イヴの生き方は、シュローヴ館と娘のライザに固執して偏っている。
ライザに対しては愛情が根底にあるように見えるが、1番愛しているのは自分自身だろう。
誰もがそうかも知れないが、自分の気持ちが1番にある。
そんなイヴを客観視出来るライザは、頭がいい子。
あまり隔離されて育てられた歪みというか、不足な所が見えないのは不思議な気もするが。
本やテレビから得られることでは、補えない気もするが。
そう言うことは置いておいて、強く感じるのは、イヴとライザの意志の強さ。
それぞれが強い気持ちで、自分が正しいと思ったことを貫く意志。
最後は、それでライザは幸せを掴み取る予感。
イヴの方はどうなのだろう。
もっと違った生き方を選べていたら、と思う。


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