しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「闇に棲む少女」  クリストファー・ゴールデン 

2013年04月29日 | 読書
「闇に棲む少女」  クリストファー・ゴールデン    ランダムハウス講談社
 Wildwood Road              鳥見真生・訳

ハロウィン夜の仮面舞踏会に参加したマイケルとジリアンのダンスキー夫妻。
ジリアンは酔いつぶれ、マイケルが運転する車で帰る途中の事。
車の通りもなく、人気のない旧道の道路脇に少女を発見する。
ジーンズとフリル付きのスモックブラウスを着ているだけの金髪の少女。
何も言わない不安そうな少女を、マイケルは車に乗せる。
車の中で、少女はスクーターと名乗り、道案内をして大きな古い館の前まで連れて行く。
少女は「見つけにきてね、約束よ」とささやき、館の中へ消えて行く。
マイケルも後を追うが、館の中には誰もいなかった。
しかしその中でホットココアやペパーミント、ポップコーンの香りや、少女たちの笑い声を感じる。
それと同時に、得体の知れない恐怖も感じ、マイケルは逃げ出だそうとするが、出口はない。
追われるように、窓を突き破り外に飛び出し、意識を失う。
気が付いた時は、車の中で朝を迎えていた。
しかし、その後も少女の声は聞こえ、その館を捜そうとするが、たどり着けない。
マイケルは、館とスクーターを追い求め始める。








ホラーだった。
映像が見える物語で、怖い。
エクソシストを思い出す。
取り憑かれたのではないのだが、性格が変わってしまった人間の怖さ。
容姿はそのままでも、言葉の使い方や発し方で怖さは同じように伝わるのだ。
言葉は武器。
記憶がなくなるのと、人間が変わることの関係はよく分からないのだが。
楽しい記憶が消えてしまったら、粗暴になるだろうか。
感情のない、静かな人間になるそうな気もするが。
しかし現在、子どもの頃の楽しい記憶を、みんなどの位持っているのだろう。
付き合う友人や家族も少なく、ひとり遊びも増えているだろう。
自然との触れ合いは意外性があるが、そんな部分も少ないのではないだろうか。
人間の本質が変わって来ているのは、間違いないだろうが。
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