しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「兄の殺人者」  D・M・ディヴァイン 

2015年01月21日 | 読書
「兄の殺人者」  D・M・ディヴァイン   創元推理文庫    
 My Brother‘s Killer        野中千恵子・訳

霧の夜、弁護士事務所の共同経営者である兄オリバーから急な呼び戻されたサイモンは、やむなく戻ったオフィスで兄の死体を発見する。
傲慢かつ自信家で、家庭内の不和と仕事の軋轢を抱えていたオリバーは、殺される理由に事欠かなかった。
捜査の過程で次々と暴かれる兄の忌まわしい“秘密”。
彼は、卑劣な犯罪者であったが故に殺害されたのか?
兄の汚名を雪ぎ、第一容疑者のなった友人を苦境から救うため、サイモンは自ら調査に乗り出すが。
           <文庫本1ページ目より>
              






霧のロンドンで起きた殺人事件。
その雰囲気が登場人物にもあり、霧に包まれたようなすっきりとはしない人生。
警察の捜査から、殺されて当然だったのかと悩むサイモン。
しかし、オリバーの事を1番知っているのは自分だ、兄はそんな事はしないとはっきりと思う。
それぞれが家庭の事で悩みを抱えているが、それでもお互いの事をそれだけはっきり言えるのは兄弟ならでは。
今は兄弟だと言えども、それほど分かり合える関係では無くなっている気もするが。
それぞれの人間ドラマがある。
そして、推理物としても、小さな手がかり、仕掛けられた罠、アリバイ工作、暴かれる秘密と色々出て来る。
注意深く読んで行けば、気付かされること。
これがデビュー作だが、自分には4作品目なので、何となく作者の傾向も分かり、勘も頼りに犯人を考えたり。
それでも、意外な事もあり最後まで楽しめる。
テンポが良いのも嬉しい。

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