しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「スキマワラシ」 恩田陸 

2022年04月22日 | 読書
「スキマワラシ」  恩田陸  集英社   

纐纈散多(こうけつさんた)には不思議な力があった。
それはある物に触れた時に、その物の過去が見えること。
それは突然起こるので、予想が付かなかった。
纐纈家は建築関係の血筋で、祖父は工務店、早くに事故で亡くなった両親は建築家だった。
その工務店で8歳年上の兄太郎が古道具屋をして、散多は手伝いながら、店にカウンターを作って簡単なバーをしていた。
客は太郎の仕事関係に人たちだった。
そこで、解体現場に出現する少女の話を聞く。
その少女は白い夏物のワンピースに麦わら帽子。
やがて、散多もその少女と遭遇する。





面白い話だと思いながら読み進めていた。
異世界との繋がりや、登場人物の柔らかい雰囲気。
そして色々な謎。
夏服の少女、スキマワラシ、両親、タイル、安久津川ホテル、廃墟。
最後はそれについて、分かると思っていた。
正直、分からないことが多いまま、終わってしまった。
なにより、夏服の少女とハナコとの繋がりはなんだったのだろう。
どうしてハナコを探していたのだろう。
もっと色々な物語が隠されている感じなのだが、これで終わってしまうのは、中途半端な気がする。
結局、この物語が伝えたい事は何だったのだろう。

物語の中に出て来る『風景印』の話。
いくつか持っているが、これを『風景印』と言うのを始めて知った。
何か記念の時だけあるものだと思っていた。
『引手』も、「お城観光の時などに、こんなのあるんだ」と思った事はあるが、今度はもっと気を付けて見ようと思った。


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