しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「滅びの鐘」  乾石智子 

2016年08月03日 | 読書
「滅びの鐘」  乾石智子   東京創元社 

北国カーランディア。
建国以来、土着の民で魔法の才をもつカーランド人と、征服民アアランド人が、平穏に暮らしてきた。
だが、現王のカーランド人大虐殺により、見せかけの平和は消え去った。
怒りに燃える大魔法使いが、平和の象徴である鐘を打ち砕き、鐘によって封じられていた闇の歌い手と魔物を解き放ってしまったのだ。
闇を封じることができるのは、古の〈魔が歌〉のみ。
       <カバー見返しより〉







オーリエラント世界は戦いの連続。
それはこの世の中と同じなのだが。
侵略者と征服された者の間には見かけは平穏でも差別が存在する。
戦う事をしなかったカーランド人が、結局は戦うことを選ぶ。
魔法の力では、争う事を避けることは出来ないのだ。
あまりにも、戦いがあって、段々暗い気持ちになる。
闇の歌い手タイダーと闇の獣カイドロスが生まれた物語も悲惨だ。

太古の闇が、ずっと存在するから。
と言う事なのだろうけれど。
最後だけでなく、もっと早くから闇に打ち勝つ物語が読みたい気もする。
魔法は闇を抱えているから、平和に積極的にかかわることはないのだろうか。
戦うことなく平和になれる方法を、物語の中で実現して欲しい気持ち。
戦争に向かっている様な現代だから。
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