しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「野獣の薔薇園」 ドナ・ジョー・ナポリ 

2009年09月22日 | 読書
「野獣の薔薇園」 ドナ・ジョー・ナポリ    JULIAN
  Beast     久慈美貴・訳

全ペルシャ王の息子、オラスミンは狩りよりも薔薇を愛する王子だった。
犠牲祭の時、すでに痛みを知った獣を犠牲として捧げるという過ちを犯し、精霊パーリの呪いを受ける。
ライオンの姿にされたオラスミンの呪いを解けるのは、女の愛だけ。
ライオンと人間の心を持ちながら、オラスミンはライオンとして生きるためインドに行く。
しかしそれは間違いだと気が付き、薔薇を1番愛する国フランスへと向かう。

人は女の愛を通して神の愛を知る。
熱い情熱は大いなる受容へとつながっている。
フランスの薔薇は世界一、そして薔薇を大切に育て愛する国。



「美女と野獣」をモチーフにした物語。
ライオンになってしまったオラスミン王子の、1人称で書かれている。
ライオンと人間の心を持つ王子。
2つの感覚が同居する様が、丁寧に書かれそのまま受け入れられる。
呪いを解くのが、女の愛。
愛と薔薇の結びつきを思い付き、薔薇を1番愛すると自負する国、フランスへ向かう。
そのあたりの思考の流れは自分にはちょっと思いつかないのだが。

オラスミンがライオンの姿で、薔薇を育てたり、本を読む姿を想像するのも楽しい。
ペルシャの庭園での様子や、オラスミンが整えたの館を映像で見てみたい。

ベルはとても魅力的な女性。
勇敢で知的で優しくて、そして強い。
ライオンとベルのやり取りも面白かった。

ドナ・ジョー・ナポリの物語は、激しい感情が起こっても、物語の雰囲気は静かで上品な感じ。
好きな世界。 
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