しましましっぽ

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「刑事たちの三日間」 アレックス・グレシアン 

2016年07月20日 | 読書
「刑事たちの三日間」  アレックス・グレシアン   創元推理文庫     上・下巻
  The Yard     谷泰子・訳

1889年、切り裂きジャックの恐怖がいまだ残るヴィクトリア朝ロンドン。
地に落ちた警察への信頼を回復するため、警視総監サー・エドワーズは、ロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)に殺人捜査課が創設する。
だが刑事の数はわずか12人。
日々捜査に忙殺される中、あろうことか仲間のひとりが無残な死体となって発見される。
新米刑事のディは、警視総監からこの事件の捜査を命じられるが―。
巨大都市にはびこる犯罪の闇、正義を信じてそれに立ち向かう刑事の光。
斬新なスタイルで刑事たちの3日間を描く、鮮烈なデビュー作。
     <文庫本上巻1頁目より>

科学的犯罪捜査の先駆者キングスリー博士の助けを借りながら、同僚刑事殺害の謎を追う、新米警部補のディ。
一方で、卑劣な犯罪を目の当たりにしたハマースミス巡査は、上司の指示に反し、密かに捜査を進めることを決意する。
その先に、思わぬ罠が待ちうけているともしらずに…。
自らの無力さを感じながらも、次々起きる巨大都市ロンドンの犯罪の流れに抗い、夜を日に継いで活動しつづける刑事の清冽な姿。
刑事たちの終わらない捜査の日々の、わずか三日間のドラマを描く、圧巻のヴィクトリア朝警察小説!
       <文庫本下巻1頁目より>










事件をいくつも抱え、今のような科学捜査もない時代。
それでも、最善を尽くそうと頑張る警察の人々。
その時代の背景や、それぞれの人の気持ちが丁寧に書かれてその世界に入っていける。
犯人も早いうちに示されるので、双方から見られる面白さもある。
それも、事件は1つではないので、こちらも忙しい気持ちにさせられる。
検死や指紋採取など、本当に個人の力から始まったのだろうか。
キングスリー博士の信念。
主役はウォルター・ディ警部補だが、キングスリー博士やハマースミス巡査の活躍が大きい。
人間の繋がりを重要視し、ユーモアも感じさせながら、悲しい人間ドラマが展開される。
タイトル通り、3日間の緊迫の物語。


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