しましましっぽ

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「シンデレラたちの罪」 クリスティーナ・オルソン 

2016年07月22日 | 読書
「シンデレラたちの罪」 クリスティーナ・オルソン   創元推理文庫   
ASKUNGAR        ヘレンハルメ美穂・訳

スウェーデン、ヨーテボリからストックホルムに向かう高速列車で6歳の少女リリアンが行方不明になる。
列車はストックホルムの数十キロ手前で信号機の故障が見つかり、フレミングスベリ駅で停車する。
母親のサラはこの時、電話を掛ける為に眠っていたリリアンを残し列車を降りる。
乗り遅れたサラは、駅職員に連絡してタクシーで列車を追った。
連絡を受けた車掌のヘンリーはすぐ眠っているリリアンを確認し、見守る事にした。
しかし、ストックホルム到着前に車内でトラブルがあり、3分ほど目を離す。
その時に列車は到着し、降りる客を押しのけながら席に戻った時にはリリアンの姿はなかった。
捜査にあたったストックホルム市警、アレックス・レヒト警部。
サラから暴力を振るう別れた夫ガブリエルの事を聞き、疑わしと判断する。
しかし、部下のフレドリカ・ベリマンは、サラが乗り遅れた詳細を聞いて違和感を覚える。
それは具合の悪くなった犬を運ぶのを手伝って欲しいと頼まれたからだった。
翌日、サラの元に小包が届く。
そこには切り取られたリリアンの髪と着ていた服が入っていた。









少女失踪から始まる物語。
連れ去られたと見られるが、乗客や駅での目撃情報がない。
母親も巧妙に子どもから引き離されている。
これからどう展開して行くのだろうと、期待が高まる。
だが、捜査する警察の方がどうも頼りない。
調査ではなく、頭で考えてそれにこだわってしまうようだ。
閃きは大切だが、事実の積み上げも同じくらい大切だろうに。
それが男と女の違いの様な発言もあり、部下のフレドリカ・ベリマンとペーデル・リュードでそれを体現している。
上司のアレックス・レヒトも、何となくはっきりしない人物。
捜査がなかなかに進まないうちに、事件はどんどん展開して行く。
動機も、残されたメッセージでかなり明確だと思うがそれに気がつかないのも不思議。
そして、解決は。
結局警察は大した事をしないまま、犯人が勝手に暴走して事件が終わる。
終りがあまりにもあっけない。
時間か頁が足りなかったか、無理に終わらされたような印象。


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