しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「お料理名人の事件簿① 桃のデザートには隠し味」  リヴィア・J・ウォッシュバーン 

2015年09月22日 | 読書
「お料理名人の事件簿① 桃のデザートには隠し味」  リヴィア・J・ウォッシュバーン  ランダムハウス講談社  
A Peach of a Murder        赤尾秀子・訳

テキサス州パーカー郡の田舎町ウェザーフォード。
元歴史教師の未亡人フィリス・ニューサムは、定年後自宅に下宿人を置いて生活している。
下宿人は元教師ばかりで、1番年上は小学校教諭だった80代後半のマティ・ハリス。
後の2人は同年代のキャロリン・ウィルバーガーとイヴ・ターナー。
そして新しく、サム・フレッチャーが加わろうとしていた。
パーカー郡は桃の産地で、夏にはピーチ・フェスティバルが開かれる。
料理名人のフィリスにとって、フェスティバルのハイライトは料理コンテストだった。
そして、そのライバルがキャロリン。
フィリスたちが果樹園で桃を収穫している時に、その果樹園のオーナーが死亡する。
事故と思えたが、不審な点もあり副保安官が、その時の様子を聞きに来る。
副保安官はフィリスの息子、マイクだった。
真相は分からないまま、ピーチ・フェスティバルになる。
そして、このピーチ・フェスティバルでも人が死に、殺人と分かる。
その容疑がなんとキャロリンに掛かる。
キャロリンの無実を信じるフィリスは犯人捜しを始める。








お料理名人の事件簿の1作目。
フィリスの事や下宿の事、下宿人の性格などが詳しく分かった。
日常の中の事件と言う感じで物語もスムーズで、面白いのだが。
フィリスの性格や考え方に少々違和感が。
“自分さえ良ければ、他人はどうでもいい”とはちょっと違うかも知れないが、“友達の為なら他人はどうでもいい”という考え方が馴染めない。
嫌な思いをキャロリンがしているから、その立場になった人は同じ気持ちになるけど、仕方ないって。
そんなものなだろうか。
そのフィリスとキャロリンの関係も何となく微妙。
本当に相手を思っているのか、疑問に思うのだが。
そして、最後に犯人が分かった後、殺人の正当だったと言う風になるのも、違和感。
確かにこの世からいなくなった方が良いような人はいると思うけれど。
それでも、殺人は正当化しては行けない。

そして、警察が無能過ぎる。
動機だけで犯人だと決めつけ、後は自供すればそれで解決、と言う感じ。
だから容疑者になってしまったら、脅かされて自供して仕舞いかねないから恐怖なのだ。
冤罪もこんな風に作られるのかも知れない。

犯人は意外な人物、なのだと思うが。
今回は、早い時に犯人が分かった。動機も。
犯人が分かって読むと、その後に起こる事も手に取るように分かる。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ラグビーW杯 イングランド... | トップ | 「最後の証人」  柚月裕子  »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事