しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「水車館の殺人」 綾辻行人  

2006年04月25日 | 読書
3連の水車を持つ、古城の様な建物「水車館」の主人、藤沼紀一は交通事故で傷を負い、車椅子に乗り、顔には白い仮面を付けていた。
紀一は父で幻視者と呼ばれた画家、藤沼一成の絵を水車館に集めていた。
水車館に住むのは、紀一と19歳になる妻、由里絵と執事と家政婦。
由里絵の父親は一成の弟子で、幼い由里絵を残して死んだ時に紀一の元に引き取られていた。
そして、ほとんど人の訪れる事のない水車館に1年に1回、一成の絵を鑑賞する為に、4人の客がある。
それが、9月28日。
1985年の9月28日、台風接近の中、事件が起きる。
家政婦の根岸が塔より転落して死亡。そして、絵が1枚紛失し、客の一人、古川恒仁が密室状態の場所から姿を消す。
そして、その前から水車館に客として身を寄せていた紀一の友人、正木慎吾が焼却炉の中で、切り刻まれた遺体で燃やされているのが発見される。
犯人は行方知れずの古川とされた。
それから1年、1986年の9月28日。同じく台風接近の中、3人の客とそして、古川の友人、島田潔が招かれざる客として、水車館に滞在する。
紀一は、島田が水車館が、中村青司の設計と知ていた事で迎え入れる。
そして、また事件が起きる。


中村青司の館シリーズの2作目。
館の中のからくりで分かったのは1つだけで、まだ青司の館としては、おとなしめな感じがする。
謎解きの1番は、人間消失。
プロローグで、焼けたバラバラ死体が出て来る、凄い始まりだが、
白い仮面を付けた主人公に、幽閉された美少女、幻視者の絵、3連の巨大な水車、迫り来る台風、そして青司の館と言う、設定が、さあ始まるぞと雰囲気を盛り立てる。
幾つかの謎は、多分こうだろうと、予測出来るものもあった。
そんな推理が出来る楽しさもあり、当たっていた時は単純に嬉しい。勿論、全く分からない事もある。
腑に落ちない点もあるのだが・・・。

しかし、自分の欲だけで、恨みも、罪のない人を殺してしまうのは、小説の中でも許せない。



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