しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「カエルの小指」  道尾秀介

2022年04月14日 | 読書
「カエルの小指」  道尾秀介  講談社 

武沢竹夫は詐欺師をやめ、スーパーなどで実演販売で生計を立てていた。
近くには詐欺をやめるきっかけになった事件に関係した、貫太郎、やひろ、まひろも住んでいて時々交流している。
ある日、実演販売中に中学生が反論のような質問をしつこくして、販売が上手く行かない日があった。
そして、その中学生が武沢の仕事が終わるのを待って話しかけて来る。
キョウと名乗った中学3年生を、話しの成り行きで自宅に招き入れ頼みを聞くことになる。
キョウは母親、寺田未知子と祖父母と暮らしていたが、母親が詐欺に遭い、飛び降りる自殺を図る。
キョウはテレビ番組『発掘!天才キッズ』という番組に出て、その賞金で探偵を雇い母親を騙した詐欺師を探して復讐したいと言う。
その為に、実演販売の技術を身に着けたいと言うのだ。
武沢は寺田未知子と会ったことがあり、キョウに協力することにする。
貫太郎たちもキョウと仲良くなる。
しかし、それから少しして武沢は暴漢に襲われる。
考えられるのはキョウとの繋がりしかなかった。





『カラスの親指』の続編。
詐欺師から足を洗った武沢がもう1度だけと、キョウの為に詐欺を仕掛ける。
それに協力するのが、まひろたちだ。
中でも大活躍なのが、貫太郎とやひろの1人息子、小学校6年の鉄平(テツ)。
詐欺を仕掛けると言っても、なんだか中途半端な感じで、あまり計画性が感じられない。
アクシデントが発生した時に、役に立ったのがテツの知識と行動。
メインの事件の他にも、色々な事が隠されていて、それが明らかになったりと結構話題は盛り沢山。
ドンデン返しもあるのはあるが、何だかそれほど驚かない。
テレビ番組を通して、と言うのがいまひとつピンと来ていなかったからかも知れない。
あまり物語に乗れていなかった。
1番驚いたのは、最後にキョウの言う「現実のほうが、まし」と言う事実。
この先、どうなるかは分からないが、これはひとつの救いだった。

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