しましましっぽ

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「犯罪心理捜査官セバスチャン 白骨」   M・ヨート&H・ローセンフェルト 

2019年02月10日 | 読書
「犯罪心理捜査官セバスチャン 白骨」   M・ヨート&H・ローセンフェルト  創元推理文庫 上・下巻
FJALLGRAVEN     ヘレンハルメ美穂・訳

道に迷ったトレッキング中の女性が偶然見つけたのは、泥に埋まった人骨だった。
山中に埋められた六人の遺体。
大人が四人、子どもが二人。
ずいぶん前に埋められたらしく白骨化していたが、頭蓋骨には弾痕があり、殺されたものと思われる。
早速トルケル率いる殺人捜査特別班に捜査要請が出された。
トルケルは迷ったあげく、有能だがトラブルメーカーのセバスチャンにも声をかける。
家に居座ってしまったストーカー女にうんざりしていたセバスチャンは、渡りに舟とばかりに発見現場のイェムトランド県に同行する。
史上最強の迷惑男セバスチャン再び登場。
     <文庫本上巻1頁目より>

妻とふたりの子どもを残して、アフガニスタン移民の男性が失踪した。
警察は強制送還を恐れて自ら姿を消したと結論づけたが、残された妻は納得しなかった。
夫が自分と子どもたちを残して逃げるはずがない。
『徹底検証』という番組の記者が妻の訴えに興味を惹かれ、事件の調査をはじめる。
一方イェムトランド県での殺害事件を調べているトルケルたちは、六人が殺されたのと同じころに、近くで自動車の炎上事故があったことを突き止める。
その車に乗っていたのは、偽の身分証明書を持った身元不明の女だった。
人気脚本家コンビが放つ人気シリーズ。
 <文庫本下巻1頁目より>

「犯罪心理捜査官セバスチャン」シリーズ第3弾。









事件の捜査と共に、殺人捜査特別班のメンバーのそれぞれの物語も展開していく。
それも面白いが、誰もが自己中心的。
これはセバスチャンだけではない。
人間が本来持って居る1番の感情なのかも知れない。
顕著なのが、ヴァニヤな気がする。“さもありなん”なのだが。
しかし、セバスチャンも、そんな事をするなんてと呆れてしまう。
これはそのまま「続く」になっているので、次作でどうなるのか興味津々。
事件の方は、白骨と移民の男性との失踪がどう繋がるのか、全く予想も出来ず、先が気になる。
シベカを通してアフガニスタンの社会の様子も知る事が出来て興味深い。
他の国で暮らしていくもの大変だか、ムスリルの女性は自分から見れば大変だ。
難事件だが、それが少しずつ分かって行くところも説得力があり納得出来るから面白い。
今回は大きな陰謀があった。
人の命なんて軽いんだと思わされてしまう。
命の重さは誰もが同じはずなのに。

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