しましましっぽ

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「犯罪心理捜査官セバスチャン 模倣犯」   M・ヨート&H・ローセンフェルト 

2019年02月08日 | 読書
「犯罪心理捜査官セバスチャン 模倣犯」   M・ヨート&H・ローセンフェルト  創元推理文庫 上・下巻
 LARJUNGEN      ヘレンハルメ美穂

出張帰りの夫の目に飛び込んできたのは、縛られて首をかき切られた妻の死体。
その状況は、かつてセバスチャンがつかまえた連続殺人犯ヒンデの手口に酷似していた。
だが、ヒンデは服役中のはず。
模倣犯の仕業なのか?
ある動機で、ふたたび捜査チームに加わろうと企むセバスチャンは、渋るトルケルに売りこみをかけた。
凄腕だが、自信過剰の迷惑男セバスチャンの捜査が始まる!
     <文庫本上巻裏カバーより>

ヒンデの手口を模倣した三件の事件。
だが四件目が起きるに至って、セバスチャンはあるとんでもない事実に気づいた。
すべての被害者が過去に自分と関係を持っていたのだ。
犯人の狙いは彼自身なのか?
一方刑務所の新所長は、服役中のヒンデから進行中の連続殺人事件解決のヒントを得て手柄にしようと密かに企んでいた。
スウェーデンで人気の脚本家コンビが放つ、シリーズ第二弾。
     <文庫本下巻裏カバーより>









「犯罪心理捜査官セバスチャン」第2段、と言うより続編。
係る事件は違うが、人間関係などは前作を知っていて楽しめるので、順番に読むのが良い。
今回もセバスチャンは自分の中では当然の目的があって、殺人捜査特別班に参加しようとする。
セバスチャンは“自信過剰の迷惑男”とは少し違う。
セバスチャンなりの生きざまの背景があり、理解出来る気がする。
どうしてそこまで、うじうじするのかと思うところもあるけれど。
深い悲しみは、自分だけで抱え込まない方がいい。
誰かが何かをしてくれる訳ではなくても、気持ちに寄り添って貰えるのは大事なのではないだろうか。
だが、事件に直面し、私情よりも犯罪を憎み止めたいと思う気持ちが強くなる。
そんな心の動きも好感が持てる。
今回の事件は人を操る力を持ったヒンデとの対決の構図。
事件そのものは悲惨で、それにかかわった人たちの感情も丁寧に描かれている。
重い気持ちになるが、それだけ物語に入り込める要素になる。
実際に体験しているような。
そんな悲惨な話だが、物語は面白く、一気読み。
そして、“続く”で終わる。
今回秘密がバレなかったセバスチャンのその後はどうなるのか。
ビリーとヴァニヤの力関係も興味のあるところ。


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