しましましっぽ

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「ゴーストライター」  キャロル・オコンネル 

2019年07月27日 | 読書
「ゴーストライター」  キャロル・オコンネル   創元推理文庫   
IT HAPPENS IN THE DARK    務台夏子・訳

劇場の最前列に座っていた男は、暗闇のなかで喉を掻ききられて死んでいた。
泥酔状態だったらしいその男は上演中の芝居「真鍮のベッド」の脚本家だった。
駆けつけたニューヨーク市警ソーホー署の刑事マロリーとライカーは捜査を開始する。
だが、劇場の関係者は、俳優から劇場の“使い走り"に至るまで全員が変人ぞろい。
おまけに、ゴーストライターなる人物が、日々勝手に脚本を書き換えているという。
ゴーストライターの目的は?
殺人事件との関わりは?
氷の天使マロリーが、舞台の深い闇に切り込む。好評シリーズ。
    <文庫本1頁目より>







「真鍮のベッド」と言うのは、かなり複雑な人間関係の興行だったようだ。
くせのある登場人物の中には、殺人に関わった人物もいたくらいだから。
ただ、ひとつの芝居を作りあげるのに、こんなに色々あったら、完成するのだろうか。
毎回黒板に書かれたゴーストライターの指示に従うと言うが、そんな事可能なのだろうかと思う。
何となく無理のある設定のような気がするが。
不思議な雰囲気の物語。
デヴィッド・リンチの「ツイン・ピークス」が思い浮かんだ。

しかし、マロリーは刑事として事件を解決するだけでなく、罪人の刑罰も決めて実行している。
ライカーも見て見ぬ振り。
チャールズ・バトラーはそれで悩む。
最後の章を読んで、もしかして、このシリーズは完結なのかと思ったが。
そうではないようだ。

最後まで分からなかったのは、なぜゴーストライターが、実際に起きた殺人事件に舞台を書き換えていったのか。
もし、ゴーストライターが別の人物なら、知られざる秘密を暴露したいと思ったのかも知れないと理解するのだが。
ゴーストライターが、この事件に書き換える目的が、ある人物を怖がらせるだけなら、なぜこの事件を知っていたのだろう。
それが気になっていたので、それがはっきりしないのが不満。
それともどこか読み落としたのだろうか。
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