しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「オリジン」  ダン・ブラウン  

2019年02月03日 | 読書
「オリジン」  ダン・ブラウン     角川書店   上・下巻
  Origin        越前敏弥・訳

宗教象徴学者のロバート・ラングドンは、スペインのビルバオ・グッテンハイム美術館にいた。
20年ほど前、ハーヴァード大学ではじめて教えた学生の1人、科学者のエディー・カーシュに招待されたからだ。
カーシュは40歳にして先端テクノロジーの第一人者として、科学の進歩についての予言をいくつも的中させていた。
カーシュはビルバオに招待客を集めて、ある重大な科学発見のプレゼンテーションをする予定だった。
それは全世界に同時配信もされる。
内容は『わらわれはどこから来たのか』『われわれはどこへ行くのか』の答えだと言う。
それは宗教と密接に関わる発見で、カーシュは3日前に3人の人物に公表する映像を見せていた。
キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の指導者の3人に。
3人とも衝撃を受け、何も言わなかったと言う。
カーシュはラングドンに会って、映像を見せた聖職者から脅かしを受けたことを話す。
ラングトンは心配はいらないと助言する。
しかし、プレゼンテーションを見ていて、真っ向から宗教と対立する姿勢に不安を覚える。
そしてカーシュが実際に姿を現した途端、カーシュは狙撃され倒れる。








今までのラングドン教授の物語と同じような展開。
美女と一緒に追われる身になり、謎を追って動き回る。
舞台はスペインのビルバオとバルセロナ。
カーシュがアントニ・ガウディに心酔していたことから、サグラダ・ファミリアやカサ・ミラが舞台となる。
『わらわれはどこから来たのか』。
カーシュのプレゼンテーションの内容が、どれほど衝撃を与えるのか。
それでかなり物語をひっぱり期待させるのだが。
世界中が衝撃を受けるとあるが。
きっと無神論者の多い日本はそれほどでもないだろう、と思いつつ。
神の存在がそれほどまでに影響を与えている方が、自分には驚きだ。
結局始めの盛り上がりと、ラストのウィンストンの所が面白かったが、中ほどはいまひとつ。
ガウディのこと、宗教や科学の対立に対する話や、フリアン王子にことなど、話題はあるのだが。
なんだかあまり盛り上がらない。今まで程のワクワク感は少ない。
ウィンストンの存在は楽しめたが。
カーシュのプレゼンテーションが明らかになっても、それほど衝撃はなかった。
問題にしなければならないのは、『われわれはどこへ行くのか』ではないだろうか。
ウィンストンのした事や考え方から、アイザック・アシモフのロボットシリーズを思い出す。
有名なロボット三原則の前に、もう一つ付いた原則。
〈ロボットは人類に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人類に危害を及ぼしてはならない。〉
何を優先するのか。
人間は人口知能の考えだす回答を想像することが出来るのだろうか。

タイトルの「オリジン」の意味が分からないまま読んでいた。
途中で出て来た。
『どんなものも新たに生み出すことはできない、それはもとから自然に記されているのだから。
独創性(オリジナリティ)は起源(オリジン)への回帰によって成り立つ』  アントニ・ガウディ


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