しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「悪しき狼」 ネレ・ノイハウス

2019年03月10日 | 読書
「悪しき狼」 ネレ・ノイハウス   創元推理文庫    
 BOSER WOLF    酒寄進一・訳

2010年6月10日。
ホーフハイム刑事警察署のピア・キルヒホフが首席警部に昇進した日。
ピアが同窓会に参加している時、死体が発見されたと呼び出しがある。
マイン川で見つかった14歳~16歳くらいの少女の死体には、長期間にわたって虐待された痕があった。
ハンナ・ヘルツマンはテレビで人気のニュースキャスター。
ハンナは掛かり付けの心理療法士レオニー・フェルゲスから、テレビで取り上げて欲しい話があると言われる。
聞きに行くとそこには2人の男(ベルント・プリンツラーとキリアン・ローテムント)がいた。
それは危険な話題だったが、ハンナはその話に飛びつき、放送に向けての下調べを開始する。
そのハンナが突然襲われ瀕死の重傷を負う。
同窓会で久しぶりの再会をしたピアの友人エマ・フィンクバイアーは、まもなく出産を控える妊婦。
エチオピアで<世界の医療団>で働いていて、夫のフローリアンと知り合い妊娠を機に帰国していた。
フローリアンの父親ヨーゼフは、シングルマザーとその子どもたちの為に『太陽の子協会』を創立した人物だった。
夫の実家で暮らすが、5歳の娘ルイーザが言う事を聞かなくなり暴力的になっているのに戸惑っていた。
ピアは子どもには興味がなかった。
しかし、パートナーのクリストフ・ザンダーの7歳の孫娘リリーを4週間預かることになる。
リリーと触れ合ううちに愛おしさが沸き上がるピアだった。

「刑事オリヴァー&ピア」シリーズ第6弾








前作からあまり間を置かずに読んだので、人間関係などすんなりと入れる。
事件の大まかな事は読んでいると分かって来る。
他の小説にも、似たような話はあった。
それだけ、こう言う事が多いという事なのだろう。
ハンナが話を聞きに行った時にいた2人の謎の男。
物語が進むうちに少しずつ分かって来るが、今回は今まで以上に色々な事が絡み合う。
すっきりと終わる結末ではない。
タイトルの「悪しき狼」は、あまりに普通。
狼と言えば、童話などでは悪者の主役だから。

前回グタグタだったオリヴァーは、今回もあまりパッとしない。
ピアも少々感情気味になる事が多い。
今回活躍したのは、鑑識課長のクレーガー。
やはり、冷静に物事は進めて行かないとならないと言うことか。
“嫌な奴”フランク・ベーンケ刑事の過去の出来事も分かるが、“そんな事があったなんて”と唖然。
権力を振りかざす狼は至る所にいる。

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