しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「炎の色」  ピエール・ルメートル 

2019年03月17日 | 読書
「炎の色」  ピエール・ルメートル   ハヤカワ・ミステリ文庫    上・下巻
 Couleurs de L’incendie    平岡敦・訳

1927年2月、パリ。
一大帝国を築いた実業家の葬儀が粛々と進んでいた。
しかし出棺のとき、思いがけない悲劇が起きる。
故人の孫、七歳のポールが三階の窓から落ちたのだ。
故人の長女マドレーヌは亡父の地位と財産を相続したものの、息子の看護に追われる日々を送る。
しかし、そのあいだに、彼女を陥れる陰謀が着々と進んでいた…。
ゴンクール賞および英国推理作家協会賞を受賞した『天国でまた会おう』待望の続篇登場!
   <文庫本上巻裏カバーより>  

奸計により、亡父が遺した資産も邸宅も失ったマドレーヌは、小さいアパルトマンで細々と暮らしていた。
一方、彼女を裏切った者たちは、それぞれ成功への道を歩んでいた。
そして、マドレーヌは復讐することを決意する―。
ヨーロッパでファシズムが台頭しつつある1930年代、新たな戦争の影がしのびよるパリでくりひろげられる、息もつかせぬ復讐譚。
『その女アレックス』著者による、『天国でまた会おう』三部作の第二巻。
    <文庫本下巻裏カバーより>







『天国でまた会おう』と続編と言う事だが、全く新しい物語なので、読んでいなくても大丈夫。
2つの大戦の間のフランスがどんな感じだったかが分かる。
静かに進行する物語は、日常の生活を見ている気持ちにもなる。
復讐劇と言う事だが、それほど驚きや感動はあまりない。
マドレーヌの感情の起伏もそれほど感じられないからだろうか。
失望や怒りがどれほどあったのだろう。
しかし、確かに1度は全て失ったものを、相手を窮地に陥れ取り戻して行く。
のんびり育って来たマドレーヌに、どこにそんな知恵があったのかとは思うのだが。
ポールの知恵も復讐に関係してくるのかと思ったが。
ポールの知恵は資金集めにもあまり関係がないようだ。
今までのルメートルの物語に比べると、なんだか物足りない。
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