しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「シャドウ・ストーカー」 ジェフリー・ディーヴァー 

2014年06月21日 | 読書
「シャドウ・ストーカー」 ジェフリー・ディーヴァー  文藝春秋     
  XO                 池田真紀子・訳

カリフォルニア州捜査局モンテレー支局(CBI)捜査官キャサリン・ダンスは、尋問とキネシクス(ボディランゲージの分析)を専門にしていた。
ある日曜日、休暇でフレズノを訪れる。
趣味で音楽を録音する事と、友人のケイリー・タウンと会う為だ。
ケイリーはシンガーソングライターで、金曜日の夜にあるコンサートに招待されていた。
昼食で待ち合わせるが、ケイリーはボディガードが付いていた。
そして、そのレストランで話しかけて来た若い男がエドウィン・シャープと名乗ると愕然としてショックを受ける。
それは、ケイリーにストーカーしているファンだった。
手紙やメールを何百通も送り、気味の悪い要求をしてくる。
太っていたのが痩せて変身していて分からなかったからだ。
エドウィンはケイリーをソウルメートだと思い込み、今のコンサートに為にシアトルから来て家を借りたと言う。
その夜、別れ際にケイリーの携帯電話に着信がある。
ケイリーの曲『ユア・シャドウ』の1番の歌詞だけが聴こえた。
エドウィンのいたずらだと2人は思い、ダンスは掛かって来た電話番号とエドウィンの身辺調査を引き受ける。
次の朝、ダンスはコンサートホールで、ケイリーのスタッフ、ボビー・プレスコットが殺された事を知る。
その状況は、『ユア・シャドウ』の1番の歌詞をなぞる様だった。
ケイリーは、地元の警察の捜査に強引に加わって行く。
指揮をするマディガン刑事課長は、ストーカーの話しを聞き、犯人はエドウィンだと決めつける。

キャサリン・ダンスシリーズ第3弾。








ストーカーのエドウィンが怪しいが証拠は出ない。
ダンスのキネシクスも、相手がそれを真実だと思っていれば得るものはない。
思い込みでもそれを信じていれば、嘘を見抜くことは出来ないのだ。
ディヴァ―らしく、物語は2転、3転して行くのだが。
それは犯人を警察が撃ち殺してしまうからだ。
死んでしまっては、真相や情報は得られない。
あっさり殺してしまう事に馴染めないが、自分の命を守ろうとすればそうなるのか。
怖い国だ。
そして、真相は分からないまま。
生かして、話しを聞き出した方が有意義なこともあると思うが。
それがこの物語の典型。
そして、いかにも不気味な存在だった男が、そうではないとなったら、不気味さはなくなるものだろうか。
あんなに急に親しく出来るというのも、少々信じられない。
少々感情に無理があるのが、気になるが。
ダンスの恋愛感情も。

ダンスのキネシクスで、相手を見て、こうだという内容は相変わらず面白い。
こんなにすべては分からないのでは、とも思うが。
成程と納得しながら読んでしまう。

タイトル「XO」は、「ハグとキスを」を意味する。
手紙などに最後に書く定例文。
音楽の事を書きたかった要素もあるようだ。
カントリーミュージックにはあまり馴染がない自分には、面白さ半減だが。




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