しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「クリスマスに少女は還る」 キャロル・オコンネル  

2006年05月24日 | 読書
クリスマス間近のある日、2人の少女、州副知事の娘、グウェン・ハブルと親友のホラーマニアのサディー・グリーンが消える。家出か誘拐か。調べるうちに誘拐の可能性が強くなる。
メイカーズ・ビレッジ署の警察官、ルージュ・ケンダルは15年前、やはりクリスマス前に起こった事件を思い出す。
それはルージュの双子の妹、スーザンが誘拐され、クリスマスの日に殺害されたものだった。
その頃は、毎年クリスマス前に少女が2人誘拐され、クリスマスに死体が見つかるという事件が起きていた。
目的の少女を誘い出す為に、囮になる子を誘拐するという手口だったが、スーザンの時は一人だった。
その時の犯人は刑務所にいるが、罪は認めていない。
そのルージュの前に、顔に傷痕のある心理学者、アリ・クレイが現われる。
ルージュはアリを知らなかったが、アリはルージュの過去を知っていた。
二人の少女を捜そうと警察署、州警察、FBIがそれぞれの思惑を持って動き出す。
その頃、何者かに監禁されていたグウェンとサディーは、力を合わせて脱出のチャンスをうかがっていた。


最後に来て色々な事が分かって、一気に面白くなった。
それまでは、人物は魅力的だけれど、ストーリー的にはそれほどでもないと思っていたのだけれど。
事件が解決してから、驚きや不思議な気持ちが大きく広がる。
そうだったんだとふり返って思える事がたくさんあった。
人の心の深さがより感じられる。
しかし、人の優しさや信じること、間違いだったかも知れないが誇りを大切にする人の中にあって、今回の犯人の卑劣さは・・・人間はどんなものにも成り得ると言うことか。
そして、クリスマスには奇跡が起こると言う、クリスマス・ストーリー。
これもクリスマス・ストーリーのひとつだったんだと思える。

原題「JUDAS CHILD」は囮の子、という意味がある。
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1 コメント

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はじめまして (nanika)
2006-07-23 15:56:13
キャロル・オコンネル『クリマスに少女は還る』で検索してたどり着きました。

この作者の他の作品についての記事もあり、参考になりました。

マロリー・シリーズ、読んでみようと思います。
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