しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ」  大沼紀子 

2014年08月04日 | 読書
「真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ」    大沼紀子  ポプラ文庫   

駅から少し離れた、住宅街の手前あたりにポツンとあるパン屋、ブランジェリークレバヤシ。
半月前にオープンしたばかりで、午後11時から午前5時まで営業している。  
オーナーの暮林陽介は、妻の美和子の遺志を継いでサラリーマンを辞めて、パン職人の修行中。
パン職人は、美和子を“運命の人”呼ぶ、柳弘樹。
高校生の篠崎希実は、子どもの頃から母親以外の人に預けられて生活する事が多く、カッコウのような母と達観して生きていた。
その母親がまたしても、置手紙を残して姿を消す。
母は暮林美和子と言う、希実の腹違いの姉を頼るように書いていた。
希実は腹違いの姉がいないことは知っていた。
希美は暮林美和子を訪ね、半年前に不慮の事故で亡くなっていた事を知る。
しかし陽介は疑う事なく、希実をパン屋の2階に住まわせてくれる。
希実の新しい生活に変化は生まれる。







パン屋さんを中心に起こる出来事を書いた物語。
1章毎に新しいお客さんや登場人物が増え、事件も起こる。
そして、陽介と弘樹、美和子の関係も明らかになって行く。
個性的な人物に個性的な生き方。
みんなが自分を1番大切だと思って生きている。自分の気持ちを1番に優先させる。
だから、何となく落ち着かない気持ちにもなる。
そんな中で、子どものこだまだけが、母親が1番と一生懸命になっている。
他の人を大事に思う気持ちは、世の中を知る事によって忘れてしまうのだろうか。
ほのぼのとした雰囲気で、ほんわかしそうだが以外とそうではなかった。
シリアスな結構深刻な物語なのだ。
パンは誰にでも同じに美味しいから平等、と言う言葉。
でも、お米もお握りにしたら、どこでも食べられて美味しいよ。
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