しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「終わりなき孤独」  ジョージ・P・ペレケーノス 

2014年08月05日 | 読書
「終わりなき孤独」  ジョージ・P・ペレケーノス   ハヤカワ・ミステリ文庫    
 HELL TO PAY       佐藤耕士・訳

ワシントンDCで探偵をしている黒人のデレク・ストレンジ。
相棒は元警察官の白人、テリー・クイン。
デレクに〈バグリー&トレイシ―調査事務所〉から依頼が入る。
売春婦に付きまとう男の調査だったが、同時に家出少女を探すビラを置いて行く。
デレクには、友人の娘にプロポーズした男の身元調査も仕事もあり、テリー・クインがその少女探しを担当する。
デレクは、地域の子どもにフットボールを教えていて、それは犯罪に走るのを食い止める意味もあった。







日常の日々を淡々と綴るような物語。
日常と言っても、日本とは全然違う生活。
その中で、子どもたちの事を真剣に考えるデレク。
だからと言って、デレクの生活が模範的というものではない。
不良少年の3人組の方からも書かれている。
率先して苛立ちを暴力に変える者もいれば、引き摺られるように加わってしまう者もいる。
それぞれ理由と過程がある。
だから、デレクが少年たちが悪に走らないようにと、努力をしているのだろう。
銃が簡単に手にはいることは、やはり悪事を働くことを増長しているように思える。
銃を持っているのが、当たり前の社会。
日々の生活の中でも緊迫感がある。
淡々と書かれているだけに、それが当たり前にも感じられる。
こう言う環境の中にいたら、麻痺してしまう感覚なのかもしれない。
それが普通の世界ではないと思うのだが。
子どもが撃たれて死んだことに対する報復は、自分で手を下さなくても結果は同じと分かっているから。
力がすべてなのだと、思い知らされる。


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