しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ソロモンの偽証 第Ⅲ部法廷」   宮部みゆき 

2014年07月30日 | 読書
「ソロモンの偽証 第Ⅲ部法廷」   宮部みゆき   新潮社    

5日間の日程で裁判が始まる。
弁護側、検察側から次々の証人が呼ばれる。
事実をはっきりさせる為の裁判なので、どちら側から呼ばれても、そちらの味方ではないという認識だ。
証人には、学校の先生や柏木卓也の父や兄、城東署少年課の佐々木刑事、マスコミの茂木悦男。
そして、非公開で告発状を書いた三宅樹里も証言台に立つ。
少しずつ明らかになって行く柏木卓也の性格と、大出俊次の素行。
やがて、弁護士の神原和彦と卓也の関係も明らかになって行く。







裁判の様子も期待通りに面白かった。
本物の裁判の様に、陪審員に向けたアピール合戦もあったりして。
行動も捉え方によって、意味が違って来ると言うことも。
最後は隠し玉が現れて、真相が明らかになって行くが、それはある程度予想出来た事。
タイトルの「ソロモンの偽証」からも読み解ける。
しかし、それにもきっちりと結末を与えてくれた。
人の死は、周りの人たちに多かれ少なかれ影響を与えて行く。
その中には、何か出来たのではと責任を感じる人もいる。
これは、そんな人たちの魂の救済の為の裁判になった。
また、それぞれの人の思いも、受け止めての救済。
そう上手く行くのかという思いもあるが、物語の世界ではこれでいいような気がする。
今の社会で、考えなくてはならないことが詰まった物語。

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